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2008年12月 3日 11時43分

改正出会い系サイト規制法

西山圭 アサップネットワーク 代表取締役社長 西山圭

12/1より、改正出会い系サイト規制法が順次施行となっていますが

今回の改正にともない、解釈や定義のガイドラインが

かなり具体的に提示されています。とりあえずコミュニティ系の運営者は

必読っぽい感じです。




■SNSは出会い系サイトに該当しない、と明記



サイト方針として「出会い」を掲げていないSNSなら

出会い系ではない、そうです。

たとえ実際に出会えてしまうとしても、運営者が知らなければ

法規制の対象にはならないようです。

(もちろん、18歳未満との出会いや、援助交際をしたら、その当事者は犯罪です)



早速、mixiは施行に合わせて「18禁」規制を撤廃しました。

旧法では、解釈によってはSNSはすべて出会い系ともとれる記述だったため

解釈が明示されることで、SNS各社にとってはリスク要因が大きく減りました。

後述の「出会い系」に対する年齢認証の影響も含めると

SNSに対しては、かなりの追い風になりそうですし

出会い系事業者についても(見かけ上)SNSに業態転換する流れが

加速していきそうです。




■プロフは出会い系サイトに該当しない、と明記



1対1の連絡ができなければ良いそうです。

プロフの中に直メを記載していても特に問題はないそうです。

楽天さんやawalkerさんも一安心です。




■出会い系への年齢確認義務の強化



出会い系サイト規制法の対象になるサイトは、

 ・クレジットカード

 ・免許証などを写メで受け取る

などの方法で、具体的に年齢確認をする義務があるそうです。

これは、かなりサイト利用へのハードルが高くなります。

なお、成人向け電子マネーの利用は年齢認証として認められないとのこと。

ビットキャッシュさん涙目…



ただ、年齢認証は必ずしも出会い系サイト内で行う必要はないようなので、

たとえば「クレジット払い限定で激安販売するECサイトが、実は出会い系

同時登録」とかいう抜け道が出てくる予感もします。




■出会い系サイト運営社の届出義務



これまで、出会い系サイト運営会社は実態が把握されていなかったため

今後は、サイト運営に当たって公安委員会への届出が必要とされます。

ただ、解せないのが

  ・届出の内容を第三者が確認するのは一部だけ

   (後述の「登録誘因情報提供機関」に限られる模様)

  ・届出番号などの発行もなく、サイトへの掲示義務もない

という点です。

これでは、たとえば出会い系サイトの広告掲載依頼が来たときに

合法サイトなのか、違法サイトなのかの判断ができませんし

出会い系サイトの利用者も、安心して使えるかどうか確認する手段が

ありません。

風営法ではどちらも準備されているだけに、制度の有効性として

どうなんだろう?

と思ってしまいます。




■登録誘因情報提供機関制度



という、謎の登録制度があらわれました。これに登録されると出会い系サイトの

登録情報が、公安委員会から提供を受けることができるそうです。

イマイチ役割がよくわかりません。どうやって事業化するんでしょうね?


※このエントリはVENTURE VIEWブロガーにより投稿されたものです。シーネットネットワークスジャパン および VENTURE VIEW編集部の見解・意向を示すものではありません。

西山圭

西山圭

アサップネットワーク 代表取締役社長

1974年神奈川県生まれ。慶応義塾大学在学中、学生ベンチャーに参画するも挫折。大学卒業後、1998年サン・マイクロシステムズ日本法人に入社。5年間で日米ドットコムバブルの熱狂と崩壊を体験する。2003年よりアサップネットワークに本格参加、2005年より社長に就任。現在、モバイルコンテンツ配信およびモバイルポータル運営を中心に、モバイルBtoCに特化した独自のコンテンツ、サービスを提供。