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都内私立高、学費が高いのはココ! 2割が値上げへ

2008年12月13日 13:30

都内の私立高校の2割強にあたる54校が、来年度の学費を値上げすることがわかった。東京都の発表により明らかになった。アメリカ発の世界的な金融危機を受けて、日本の高等教育にも影響が出始めているのだろうか。



都生活文化スポーツ局はきのう、来年度の都内私立高等学校・全日制の初年度の学費(=初年度納付金)について集計し、発表した。それによると、来年度の学費を値上げするのは都内の私立高233校のうち、54校。これは全体の23%にあたる。また、2校は学費の値下げを行い、その他の177校は金額を据え置くという。

また、233校の延べ290学科について、来年度の学費を集計したところ、その平均金額は入学金が24万3793円、授業料が41万6958円、施設費他が20万5428円で、合計は86万6179円となった。なお、今年度の合計金額は85万8488円で、0.9%値上がりしていることがわかる。

来年度の学費の値上げ率が最も高いのは駒場学園高校普通科で18万円・20.6%の値上げとなり、次いで駒場学園高校食物科の12万円・10.9%、青陵高校普通科の8万4千円・10.4%などとなっている。このほか、田園調布雙葉高校、杉並学院高校などでも大幅な値上げがされている。

また、来年度の学費および寄付金が最も多いのは桐朋女子高校音楽科で、196万2200円となった。以下、広尾学園高校普通科(インターナショナル)の172万2800円、学習院高等科の153万円、慶應義塾女子高校の145万8150円、玉川学園高等部の145万8千円と続く。

もっとも、学費の値上げはここ十年来ずっと続いており、最近の金融危機が直接影響したものとは考えにくい。平成7年度から10年度にかけては前年比2%近く上昇した年もあり、それに比べるとここ数年は上昇率は1%未満で推移しており、急激な値上げとはなっていない。

一方、学費を値上げしない学校数の推移を見ると、平成18年度は191校あったのに対し、今年度は185校、来年度は179校とわずかながら減少傾向にある。

なお、気になる学費の値下げを行った2校というのは、玉川学園高等部と文京学院大学女子高校で、このうち文京大女子高は13年連続授業料の値上げを行っていない。値下げに踏み切った理由について文京大女子高に取材したところ、「昨今物価が上昇する中で、少しでも生徒の家計負担を減らすべく値下げを行った」との回答を得た。また、これまで全員購入が必須だったショルダーカバンやウインドブレーカーを希望者のみの購入にするなどの対応を行うという。

そうは言っても、やはり都立高校との差は大きい。都立高全日制の入学料は5650円で、学費は年間12万2400円だ。諸経費を含めても、都立高に入れば私立高に比べて6分の1程度の費用で済む。今年2月の都立高全日制174校の受験倍率は単独選抜方式になった94年度以降最高となる1.35倍を記録。また、都立高を出願したが私立高への入学が決まったなどの理由で試験を受けなかったという不受験率も6・9%にとどまり、94年度以降最低となった。不景気になるほど、都立志望者が増えるこの傾向は来年も続きそうだ。

各私立学校の学費については東京都ホームページにて公開されている。

(編集部 鈴木亮介)

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