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2008-12-14 13:44:03 stanford2008の投稿

桜井淳所長の中部電力による浜岡原子力発電所1号機と2号機の廃炉検討についての感想 2

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【コメント】中部電力の浜岡原子力発電所の1号機・2号機と3号機・4号機では、耐震設計の条件が異なっており、前者の設計用限界地震は、450gal.(加速度は、速度の時間変化のことで、ディメンジョンは、cm/sec・secですが、地震の分野では、galileo GALILEIの自然科学上の業績を記念して、氏名を略してイコールgal.と定義しました)であり(ガリレオかガリレイかは本欄バックナンバー参照)、後者のそれは、600gal.になっており、それでも、前者については、600gal.で耐震安全解析を実施しても、許容値を超えるようなことがないために、そのまま運転が認可されてきましたが、明らかに他の原子力発電所とは、安全余裕度が異なっており、中部電力は、新指針に対応すべく、すべてに対し、1000gal.の条件での耐震安全解析を実施し、後者に対しては、現実的な工学的方法と経済性で対応できるものの、前者に対しては、無理が生じ、耐震補強が1000-2000億円にもかさむため(後者の耐震強化には計70億円)、経済的理由から、電気出力138万kWの新型沸騰水型原子炉(Advanced Boiling Water Reactor ; ABWR)を4000億円かけて建設する方が賢明であると判断したためと推察されます(訴訟や世論の影響は、無視できませんが、それらは、支配的的要因ではなく、あくまでも、経済的理由と解釈しています)。
2008-12-14 12:22:06 stanford2008の投稿

桜井淳所長の最近の講演内容-theologyについて 2-

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【講演要旨】大部分の人達は、日本語や英語の聖書を読んでいますが、本当は、一次資料のヘブライ語(ユダヤ語)の聖書が読めるようにならなければならず、と言うのは、翻訳者の能力だけでなく、すなわち、文章の文法的意味だけでなく、文章の解釈の問題があるため、どのようにも解釈できる場合もあり、そこに文献学や解釈学という学問の成立する根拠があって、複雑な問題に発展しているわけで、桜井淳所長は、まだ、一次資料に遡る能力はなく、日本語や英語の聖書や解説書の読解のレベルですが、上京する際、電車の中で聖書を読んでいると、周囲の人達から怪訝な顔をされ、不快な独り言のような言葉が聞こえることがよくありますが、残念なことに、そのような人達は、聖書やtheologyの意味が理解できないのであって、本当の教養のない証明になっており、複雑な心境になることがありますが、聖書は、世界で最も読まれている永遠のベストセラーであり、どのような歴史的価値ある文学作品よりも、何桁も多くの部数が発行されており、読まれており、イエスの誕生とキリストへの神格化の過程のまとめは、人間の思考の深さを知らしめる深遠な哲学になっており、神の問題は、哲学の歴史を遡れば、代表的なテーマになっているため、永遠のテーマと位置付けられ、桜井所長は、歴史的哲学書のプラトン「国家論」やダーウィン「種の起源」(これも哲学です)、ヘーゲル「小論理学」、マルクス「資本論」も繰り返し熟読していますが、theologyは、それらとは異なった世界の論理構成になっており、桁の異なる高級な学問体系だと思っています(桜井所長は、啓蒙書として、犬養道子『新約聖書物語(上)(下)』(新潮文庫、1980)を繰り返し読んでいますが、そのことを話すと、中にはもっと著名な学者の学術書を読むように言われますが、しかし、読みやすさと面白さから、読み続け、いくら学術的であっても、難解であったり、意欲を損なうようなものは、興味がなく、犬養氏は、「1954-56年にパリ・カトリッ大学で聖書学講義を受け」(p.316)、なおかつ、「40年近くも聖書を読み続け」(p.317)、その書には、イエスがたどった道筋を旅して、他の文献にはない詳細な情報が記載されているため、単なる文献だけからまとめるような安易な方法を採用しておらず、自身の目と耳と感覚でとらえた情報に満ち満ちているために(桜井所長は、厳しいプロフェッショナルですから、現地調査・関連論文・著書ないし学位のない人達の主張には絶対に耳を傾けません、何もなければ素人のおしゃべりの世界にすぎません)、記載内容への信頼が増します)。

2008-12-13 16:30:05 stanford2008の投稿

桜井淳所長の中部電力による浜岡原子力発電所1号機と2号機の廃炉検討についての感想

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【コメント】中部電力は浜岡原子力発電所1号機(電気出力54万kW、東芝、1976.3.17営業運転開始、32年間運転)と2号機(電気出力84万kW、東芝・日立、1978.311.29営業運転開始、30年間運転)の廃炉を検討しています。しかし、実は、昨年10月26日の静岡地裁における浜岡訴訟判決の前に、中部電力は、1号機と2号機の廃炉を決断しており(本欄バックナンバーの「浜岡訴訟判決当日の様子」を参照)、マスコミ関係者には、その胸中を露呈していましたから、今回の発表は、特に、予想できなかったことではなく、来るべき時が来たということで、冷静に受け止めています。私は、すでに、1990年代半ばに、東京電力福島第二原子力発電所の3号機等のシュラウドに生じた応力腐食割れの議論の延長で、浜岡1号機と2号機も、すべて、第一世代の沸騰水型原子炉のシュラウドは、取り替える必要があるとの主張をしていたため(その他、事故・故障ごとに、新聞・テレビでのコメントや著書等で触れてきました)、今回のことに、まったく、無関係であったわけではなく、複雑な気持ちで今回の検討のニュースを受け止めています(中部電力は、6号機の建設を予定していますが、1号機と2号機の電気出力の合計の電気出力(138万kW)を有する新型沸騰水型原子炉(ABWR)にするものと推定されます)。
2008-12-13 13:52:52 stanford2008の投稿

桜井淳所長の最近の講演内容-theologyについて-

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【講演要旨】最初に聖書を手にしたのは、高校1年の時で、その時には、特に、高い目的意識があったわけではなく、聖書説明会に参加した者には、全員、英語と日本語で記された聖書がいただけるとの参加募集に、英語の勉強にと思い参加した時で、それから継続的に読むわけでもなく、教会に通うわけでもなく、月日が経ち、社会人になってから、国内外への出張の際、宿泊したホテルのベッドのわきにある聖書に、時々、目を通したり、個人的旅行の際、デンマークやスペインの大きなカテドラルに夕刻に訪れ、多くの信者に混じって、お祈りの雰囲気を経験したくらいで、原子力安全解析所に勤務していた頃に、目黒区碑文谷にあるサレジオ教会の道路をはさんで隣に、窓のすぐ外に、教会の正面入口が見え、毎日、いつか中へ入りたいと思いつつ、予定の2年間が過ぎ、その後も、教会を訪れる機会を持たず、ただ、教養として、聖書を繰り返し読み、より深い理解を得るために、啓蒙解説書(犬養道子『新約聖書物語(上)(下)』(新潮文庫、1980))を読むなりのことはしてきましたが、最後の研究テーマの「ローマ帝国の歴史と文化及び国教としてのキリスト教」(キリスト教が国教になったのは紀元約五世紀頃のローマ帝国末期)との関係で、本格的に、聖書の解釈に取り組むようになり、数人の神父(カソリック派)や牧師(プロテスタント派)の話を聞いたり、東大大学院人文社会系研究科の宗教学・宗教史研究室や上智大学大学院神学(theology)研究科で話を聞かせていただいたり、米東部の代表的な大学のひとつのイェール大学の大学院神学研究科を訪れ、意識的に、聖書・歴史・文献学・解釈学のより深い理解を得るための努力をするようになりましたが(講演では具体的な解釈について約30分間説明、今後、本欄で、少しずつ触れます)、それは、最初に聖書を手にしてから半世紀弱後になってからのことになります。
2008-12-13 12:40:03 stanford2008の投稿

桜井淳所長から京大原子炉実験所のT先生への手紙-長崎原爆の中性子スペクトルは意外と軟らかい-

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T先生



原爆線量評価の初期の頃、米国の研究者は、爆発する時には、すでに、厚い鉄の外側構造物は、吹き飛ばされてなくなっているために、放出される核分裂中性子の"中性子エネルギースペクトル"は、核分裂スペクトルで近似できると考えて計算していました。しかし、広島原爆の線量の測定値と計算値の有意な差から、実際には、そうではなく、外側構造物がある状態で、中性子が透過・放出されるため、核分裂スペクトルから大きく異なり、中性子の鉄による吸収・散乱のために、"中性子エネルギースペクトル"に特徴的なゆがみが生じることが分かり、決定論的放射線輸送計算コードを利用して詳細に計算されました。


いただいた資料(「「広島・長崎原爆線量評価新評価システムDS02に関する専門研究会」報告書」、KURRI-KR-114(2004))を熟読・吟味してみました。p.127に、米ロスアラモス研究所のWhiteらによって、連続エネルギーモンテカルロ計算コードMCNPで計算した広島・長崎原爆の中性子とガンマ線のエネルギースペクトルが示されていますが、広島原爆と長崎原爆の"中性子エネルギースペクトル"の本質的な相違点は、1eV-1keV領域において、長崎原爆の方が約三桁くらい大きく、原因は、プルトニウムの周囲に配置されていた2.5tの火薬の原子番号の小さな構成原子の原子核による中性子減速効果によるものでしょう。そのために、長崎原爆は、広島原爆と異なり、Pu原子核の共鳴エネルギー領域におけるドップラー効果によるマイナス反応度の印加が予想以上に大きいものと推定されます。


p.126に、Whiteらの計算条件が記されていますが、たったひとつ重要な条件が欠落しており、それは、計算に利用した中性子断面積の編集温度です。他の計算例から推定すると、原爆線量評価の研究者は、みな、300Kのものを利用しているように解釈されますが、それでも大差ないでしょうが(固有値問題では、有意な差が出るでしょうが、線量評価のような固定源問題では、差は小さいかもしれません)、厳密には、Puだけでも1億℃くらいのものを利用しなければ、整合性が保てません。そのあたりはエンジニアリングジャッジしているのでしょう。その点がやや気になりました。



桜井淳

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