【第56回】 2008年12月11日
不景気と格差社会を背景に日本共産党の党員急増
「日本共産党のポリシーは偉大だ」「いや、そんな風に手放しに支持するのは、危険ではないか」
しばらく前から、インターネットの掲示板で、日本共産党に関するこのような“熱い議論”がそこかしこで行なわれている。ひとたび「共産党」というキーワードを打ち込めば、数えられないほどのスレッドが出てくる状況だ。
日本共産党と言えば、東西冷戦が終結した1990年代前半以降、すっかり影が薄くなった政党と思われがちだ。そんな共産党が、ネットの住民の間で今何故“ブーム”なのか?
驚くことに、実はこの資本主義の日本において、現在日本共産党の支持者が急増しているというのである。「派遣社員をはじめとする非正規社員や、彼らの主張にシンパシーを抱く若者も数多い」(植木俊雄・日本共産党中央委員会幹部会委員)という。
その背景に横たわっているのは、主に数年前から社会問題化している「労働格差」だ。1999年の「派遣対象業務の原則自由化」以降、安い労働力を欲する企業ニーズの拡大により、全国の派遣労働者の数は3倍以上に膨れ上がった。彼らの賃金は、直近1年間だけで10%以上も低下し、その半分近くが「年収200万円以下」という“超低年収”である。
財務省法人企業統計調査によれば、2001年から06年までに日本企業の配当金は約4倍、役員の給与と賞与の合計額は約2倍、経常利益は約2倍も伸びているのに対し、従業員の給与はこの間逆に1.4兆円も減っているのが現状。つまり、「企業は従業員の給料を削って業績を上げてきた」と思われても仕方がない。
にもかかわらず、世界的な金融危機に端を発する実態経済の悪化により、直近では多くの企業で「派遣切り」が続出している。
「これまで低賃金で企業を下支えして来たのに、いざ不景気になれば真っ先にクビを切られるなんて、あんまりじゃないか……」
“ワーキングプア”たちの怨嗟の声は、まさに頂点に達しているのだ。
日本共産党がそんな彼らの心を掴んだのは、「政治の中身を変える党」を自称しつつ、これまで一貫して「国民主体の経済」をポリシーに掲げて来たことが、ここに来て再評価され始めたということのようだ。
きっかけは、今年2月、志位和夫委員長が、当時の福田康夫首相に労働者派遣法の改正を迫った国会質問だった。このとき功を奏したのが、同党の“インターネット戦略”である。
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