調べによると容疑者は11日午後8時ごろ、東京メトロ副都心線新宿3丁目−池袋間の車内で向かいに座った保育士の女性(24)の足を携帯電話のカメラで隠し撮りした。女性はスカートで足を組んでいたといい、中沢容疑者は左隣の男子大学生(18)に取り押さえられた。容疑者は同研究所から帰宅途中で、「酒の勢いもあって、撮りたくなった」と話しているという。
容疑者は東大大学院修了。同研究所のナンバー3で、厚労省の薬事行政に深くかかわっていた。
「タミフルの安全性を証明するデータがようやくそろい、あとは薬事・食品衛生審議会の安全対策調査会にかけるだけだったのに…。委員の逮捕で、また延期になりそうな雰囲気。タイミングが悪すぎる」(厚労省関係者)
今シーズンのインフルエンザ流行はすでに始まっており、平年より速いペースで感染拡大が続いている。タミフルは発症から48時間以内に服用すると劇的な効果が得られる治療薬。だが、昨年冬から春にかけて服用した10代患者の飛び降り事故が相次いだ。このため、厚労省は10代への処方を禁止していたが、その解禁が迫った矢先に調査会重要メンバー逮捕となってしまったのだ。
厚労省は別の委員の人選を始めているが、「今冬の流行にはタミフル解禁を間に合わせたい」(厚労省幹部)というもくろみは、情けないハレンチで“大番狂わせ”となりそうだ。