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県立病院 収益5.3億円減

2008年12月13日

 県病院事業庁は12日、県議会予算決算常任委員会で、総合医療センター(四日市市)、志摩病院(志摩市)、一志病院(津市)、こころの医療センター(同)の県立4病院の病院事業収益を5億3千万円減額補正する補正予算案を示した。来年4月からは志摩病院の内科循環器科で完全紹介制にすることも明らかにした。医師不足によって収益や診療体制など、経営に深刻な影響を受けている県立病院の状況が示された。
(月舘彩子)

    ◆累積赤字50億7800万円◆

 県立4病院の収益の減少は、医師や看護師が不足した影響で患者数が減少したことが響いた。今年度末の経常収支は4病院合わせて15億3400万円の赤字で、累積赤字は昨年度決算よりも約16億9千万円増え、50億7800万円になる見通しとなった。

 県病院事業庁によると、志摩病院で小児科医などの減少により、今年度に入り医師が4人減った。また、総合医療センターでも医師が4人減った。この影響で、4病院の1日平均患者数は入院で47人減の946人、外来で133人減の1420人になり、入院収益で約4億2千万円、外来収益で約1億1千万円減額する補正を余儀なくされた。また、06年度決算時に4病院合わせて約12億5千万円あった自己資金が、昨年度末には4億3千万円となり、年々減っているという。

 県病院事業庁は「10年度あたりから不良債務が出てくる懸念があり、連結決算では県全体の財政に影響する可能性がある」としている。

    ◆志摩病院・内科循環器科 来春から完全紹介制◆

 県立志摩病院の内科循環器科の医師が来年4月から大幅に減る可能性があるとして、県病院事業庁は、同科の外来診療について、紹介状を持った患者だけに制限する「完全紹介制」に移行させることを明らかにした。

 県病院事業庁によると、同病院の内科循環器科の医師は内科10人、循環器科2人の12人体制。しかし、来年4月には、開業や他病院への異動、出産などで、最悪の場合、医師が6人に半減する可能性があるという。

 そのため、今月から内科循環器科の外来診療で、地域の開業医を紹介する「逆紹介」を始めていて、来年4月には完全紹介制に移行させる。8日から、これまで受診していた約3千人の患者に通知文書を発送しているという。

 県病院事業庁は「少しでも医師確保できるよう、三重大学や自治医大、県外病院にも要請などを続けている。今後は志摩市とも連携していきたい」としている。

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