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ここから本文エリア 石西厚生連 自己破産手続き開始2008年12月13日
◆津和野の医療機関など 管財人が継続◆ 津和野共存病院など津和野町営の4施設の指定管理者を務める石西厚生農業協同組合連合会(石西厚生連)は12日、松江地裁に自己破産を申請し、破産手続きを開始したと発表した。負債総額は約7億4800万円。退職者が急増し、退職金が支払えなくなったという。4施設は破産管財人のもとで当面運営し、町などが出資して今月設立した医療法人「橘井堂(きっ・せい・どう)」が来年、事業を引き継ぐ見通し。 4施設は津和野共存病院、日原診療所、介護老人保健施設「せせらぎ」、訪問看護ステーション「せきせい」。全国厚生農協連(東京都)によると、全国33都道県で36の厚生農協連が119病院を経営しているが、自己破産した例はないという。 県庁で会見した申し立て代理人の中村寿夫弁護士によると、退職金など給与制度の見直しを労働組合に提案した8月以降、14人の職員が退職した。新規採用の見込みは立たず、津和野町やJA西いわみ(益田市)などに財政支援を求めたが断られたという。職員計190人は一度解雇し、運営を引き継ぐ医療法人に再雇用を求めるという。 町は経営難の石西厚生連を支援するため、05年度から年間1〜2億円の運営資金の貸し付けや補助を続け、今年3月には病院と診療所、老人保健施設などを13億687万円で買い取って町営化する救済策を実行したばかりだった。 溝口善兵衛知事は「このような事態を迎えて大変残念。出来る限りの支援をしていきたい」とコメントした。 ■退職者が相次ぎ「予期せぬ負債」 石西厚生連の青木和憲会長と中島巌・津和野町長は同日午後6時半、日原山村開発センター(津和野町日原)で会見した。青木会長は「退職者が相次いで引当金など予期せぬ負債が生じた。経営改善は望めないと判断した」。中島町長は「『地域医療を守りたい』という思いから厚生連に様々な支援をしてきたが、こういう形になって遺憾」と話した。 同厚生連によると、指定管理者になった3月31日から10月末までに、看護師ら34人が退職。約6億5千万円の退職引当金が必要になり、2億500万円の債務超過に陥った。入所者や患者に対しては、12日中に文書を郵送して説明するという。 青木会長は「臨床研修医制度による医師の引き揚げ、診療報酬の改定による収益不足など、我々の努力だけでは補えない要因がある」と、地域の医療経営の難しさを訴えた。 厚生連はこの日、指定管理者を務める老人保健施設で約100人の職員を集めて説明会を開いた。説明会は非公開だったが、破産手続きをしたという経過を厚生連や町幹部が説明しただけで、質問は受け付けなかったという。13日に破産管財人が職員を集めて再度説明をするという。 参加した30代の男性看護師は「夕方、連絡があって知った」と話し、「患者さんを預かっており、普通の企業のように破産しました、で終わらない。自分たちの生活もかかっている」と納得がいかない様子だった。
マイタウン島根
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