【ワシントン11日時事】米上院は11日、本会議を開き、下院を通過した最大140億ドル(約1兆3000億円)のつなぎ融資を供与するビッグスリー(3大自動車メーカー)救済法案を審議した。反対する共和党議員説得に向け、融資の条件として厳しいリストラを迫る修正案を盛り込む方向で調整したが、協議は決裂。上院は採決に進むための手続き投票で必要な60票を獲得できず、法案は廃案に追い込まれた。
この結果、今後は、政府が7000億ドルの金融安定化法の公的資金を使って支援するか、連邦準備制度理事会(FRB)が緊急融資に踏み切るかどうかに移る。つなぎ融資がなければ、ゼネラル・モーターズ(GM)は年内に資金繰り破綻(はたん)に追い込まれる恐れがあり、金融市場への悪影響も懸念される。
上院多数派の民主党のリード上院院内総務は、両党の修正案協議に進展があり、同日夜にも採決できる「可能性がある」との見通しを示していたが、労働組合側の抵抗で一転して立法化断念に追い込まれた。
協議決裂後、リード氏は本会議場で演説し、政府が12日にも支援に踏み切るよう訴えた。ロイター通信によると、ホワイトハウスのフラトー副報道官は「(廃案は)残念だ。われわれが持つ選択肢を検討する」と述べたが、詳細への言及を避けた。
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