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金融対策の公的資金活用案 米政府、ビッグ3救済で '08/12/12

 【ワシントン12日共同=杉本一朗】米上院でビッグスリー(自動車大手三社)救済法案が事実上廃案となり、米政府と議会は十二日、ゼネラル・モーターズ(GM)などの経営破たん回避に向け、新たな支援策の検討に入った。金融危機対策の緊急経済安定化法が認めた最大七千億ドル(約六十三兆円)の公的資金の一部を活用する案が浮上。ブッシュ大統領の決断次第だが、実現するかは不透明な情勢だ。

 米メディアによると、連邦準備制度理事会(FRB)による緊急融資を期待する声もある。

 GMとクライスラーは、公的支援がなければ年内に資金繰りが行き詰まり、破たんする恐れがある。米連邦破産法一一条(日本の民事再生法に相当)の適用を申請する検討もしており、両社の救済に向けた動きは最終局面に入った。

 上院民主党トップのリード院内総務は、法案不成立を受けて、年内の議会は「終わった」と述べ、法案修正協議の断念を表明。「大統領が(金融対策の)資金活用を検討することを期待している」と訴えた。

 一方、フラット大統領副報道官も、議会審議の決裂を受け「政府として選択肢を検討する」と強調。具体策には触れなかったものの、実体経済への影響が大きい両社の破たんを避ける方策を模索する方針を示した。

 大統領やポールソン財務長官はこれまで、金融機関のための公的資金をビッグスリーへ振り替えることに一貫して慎重姿勢を表明してきた。しかし、救済法案不成立の場合は投入の可能性を示唆していたとされ、期待が高まっている。

 十月に枠組みができた七千億ドルの公的資金は原則、銀行などの金融機関が投入対象。ただ、財務長官らが金融安定化につながると判断すれば幅広い投資が可能で、ビッグスリーへの金融支援に活用できるとされている。




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