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【群馬】

前橋赤十字病院、移転検討 住民ら現地建て替え要望

2008年12月12日

 前橋赤十字病院(前橋市朝日町)が移転新築を検討していることに、地元住民らの間に不安の声が出ている。建て替えは施設の老朽化が主な理由で、当初は年内に移転の方針を決める予定だった。しかし、現地建て替えを望む意見も根強く、宮崎瑞穂院長は十一日の前橋市議会への説明会後、移転か現地建て替えかの結論は年明けに持ち越されるとの見通しを語った。 (加藤益丈)

 病院側は移転の利点として十分な敷地を確保することで病院機能の充実が図れ、工期が一年ほど短く経営への悪影響を小さくできることを挙げる。この日の説明会で、宮崎院長は「百年の計を考えて有用なものを造りたい」と理解を求めた。

 移転先としては前橋市南部が想定されている。宮崎院長は市外への移転は考えていないことを明言した。しかし、一部市議が「現地建て替えの検討が十分でない」などと反論。結論には至らなかった。

 院内で建て替えに向けた検討を始めたのは二〇〇二年ごろ。現行の耐震基準が設けられた一九八一年以前に建設の本館棟は老朽化が著しく、手術室や高度救命救急センター病床が少ないため、高度な医療を提供する使命を十分に果たせないとの懸念があるためだ。

 同病院の経営審議会は〇七年十一月、移転方針を了承。今年八月に医師や行政、議会、財界人ら十六人でつくる「前橋赤十字病院建て替え検討審議会」を日本赤十字社県支部に設置。今月中に四回目の審議会を開き、建て替え方法について結論を出す予定だった。

 ところが、建て替えの場合、費用の一部を負担することとなる県や前橋市の議会、地元住民の一部から慎重論や反対論が続出。病院近くの複数の自治会が移転反対の請願書を前橋市議会に提出する事態となっている。

 

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