【健康】救急箱 点検しよう 薬の期限は未開封の場合2008年12月12日 今年も残りわずか。家の大掃除はするが、薬などを納めた救急箱はどうだろう。医療機関が休診する年末・年始。けがや病気にあわてないためにも、年に一度は箱の中身を点検してみよう。 (砂上麻子) 救急箱を整理しようと開けると、開封した薬が残っていたという人も多い。薬には使用期限がある。 「箱などに記載されている期限はあくまで未開封の場合」と話すのは、家庭の医薬品に詳しい薬剤師堀美智子さん。瓶入りの錠剤、軟こう、缶入りの粉末薬などは空気や雑菌に触れて変質しやすいので、開封後は半年を目安に使い切る。 目薬や子ども用のシロップは一カ月が目安。個別包装されている錠剤やチューブ入りの軟こうは開封していても、期限まで使える。古い薬は薬効が弱まっていたり、成分が変質して体に悪影響を及ぼす可能性もある。「捨てるのはもったいないと思うが、薬を使わずに健康に過ごせて良かったと考えて、処分してほしい」と堀さんは言う。 救急箱にどんな薬を用意したらいいのか。「必要最低限の薬を常備しておけばいい」と堀さんが勧める「救急箱に入れておきたい薬・用具」(表)は、基本的に十八点。だいたい二週間分が目安だ。個別の包装や少量のものを買うと使い切りやすい。体質などによっては、さらに買いそろえる薬を増やす。 内服薬は「総合」と名前がついている、総合感冒薬や総合胃腸薬などが使いやすい。総合感冒薬は鼻水、せき、熱の症状を緩和する成分が配合され、どの症状でも効果が期待できる。最近は、鼻水や熱など特定の効果を強化したものもあるので、「家族構成や体質、飲んでいる薬の有無など薬剤師に相談して」と堀さんはアドバイスする。 購入の際は成分にも注意を払いたい。 解熱鎮痛剤で成分にアスピリンが含まれているものは、十五歳以下の子どもに服用すると、けいれんなど急性脳症を起こすライ症候群になる可能性があり、注意が必要だ。イブプロフェンが含まれている解熱鎮痛剤はインフルエンザ脳症を助長する可能性があるので、アセトアミノフェンが含まれているものを選ぶ。この点についても堀さんは「薬剤師に相談、確認して購入してほしい」と話す。 医療機関で処方された薬は、余っても救急箱に入れない。同じ症状でも素人判断で服用するのは危険だ。症状が似ていても原因が異なる場合がありトラブルが生じる恐れがある。 保管場所は高温多湿や直射日光を避ける。浴室や洗面所、台所は向かない。子どもの手の届かない場所に保管することも大切。あまり使っていない部屋や整理だんすの上の引き出しにしまうのが適切だ。 瓶入りなど開封したら、ふたに開封日を記入すると使用期限が分かりやすい。また薬の説明書には飲み合わせや副作用など「薬を安全に飲むための大事な情報」(堀さん)が書かれているので、専用ファイルを作り、入れて保存しておく。
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