麻生批判への戸惑い
県連代表として、来年の県連予算と方針案を準備する。
本来ならもうとっくに選挙が終わっていると思っていたので、
活動方針も政権獲得後の県連のかかわり方を考えなければと漠
然と考えていた。
またもや来年も選挙中心の活動方針とならざるを得ない。
また来年中には選挙があるということは、やっぱり政権獲得後
の県連運営というものも考えなければならないので政権政党と
しての位置づけも盛り込む。
地方議員の役割は重くなっていく。
地元を歩いていても、麻生政権への批判は強い。
おそらく、小泉総理以降の安倍、福田と続いてきた中でももっ
とも大きい批判を一身に受けているのではないだろうか。
麻生さんの総理としての資質に帰する話だけではなく、小泉マ
ジックからの経過年数によるところも大きいのだろう。
安倍、福田と小泉人気のかげりを徐々に受けて、そして麻生総
理は結果の負の遺産だけが残ったところに登場ということで一
番強い逆風を受けることになった。
結果責任を後任がすべて負わされるのは気の毒な気もするが、
それが政権政党の責任でもある。
ブッシュ失政の全責任をマケインが負ったと同じように、麻生
総理もその覚悟がなければ総理を担う資格はない。
同じことをするにしても、主体が大きく変われば若干の修正が
劇的な「変化」に見えることはよく知られたことだ。
人は、「政策」よりもそれも実行しようとする「人=人格・識
見」に価値を見出す。
人が変った瞬間がチャンスだったのにと与党のことながら思う。
だからこそ政治家は政策の前に、価値観を示さなければならな
い。
自らの人間を晒(さら)さなければならない。
麻生さんも、総裁選でもっと本音本心を、素の自分を出せば
良かった。総理が博学である必要もないし、すべてのことをわ
かっている必要もない。
多少の間違いもする。
僕は麻生さん個人のことはほとんど知らないが、例えば「自
分は勉強はあまり得意じゃなかったし金持ち育ちのボンボンで
世間知らずと言われるかもしれないけれど、負けるとわかって
いる戦いでも恐れず逃げずに来た、そして友達との約束だけは
絶対守ってきた」などと誰にでもわかる言葉で自身を表すこと
はできなかったのだろうか。
「経験と実績、加えて経済がわかるから適任」というのは自分
で語ることではないだろう。
すでに総理になることを前提で語っている姿は、心に響くもの
が少なかった。
もちろん、これは麻生さんだけではなくすべての政治家に当て
はまる話であり、自らにも問いたださなければならないと思う。
西大寺駅北口で演説中、多くの道行く人から声かけられる。
ありがたい応援の言葉。
と、同時に厳しい麻生さんへの叱責の言葉が胸に突き刺さる。
一瞬、一国の総理がこのように市井(しせい)で見下されて語
られていることに、同じ国会議員として戸惑いを感じる。
総理自らがまいた種かもしれないが、人に対する尊厳というも
のを最低限守ろうとする意識が国民からどんどんと消えうせて
いく気配にゾッとしてしまう僕は、まだまだ甘いとお叱りを受
けてしまうのだろうか。
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コメント
総理が博学であることや、すべてをわかっていることなんて誰も求めていないとおもいますよ。
国民が今の総理に不信を抱いている理由としては大きく分けて、昨日発言したことが今日には変わっているという発言の一貫性のなさと漢字の読み間違いに代表されるような最低限の教養を持ち合わせていないのではないかという疑惑、の二つだと思います。
そういうところから、総理としてひいては国会議員としての資質に疑問を抱いているのではないでしょうか?
投稿: ももっち | 2008年11月23日 (日) 15時35分
議員がおっしゃるように、もっとも悪いのは(今の日本社会の崩壊に一番責任があるのは)小泉元総理です。
現総理はたぶん人柄は小泉ほど悪くなく・・あまり頭がよくないだけだと思われます。
与党の肩を持つわけではありませんが、今の総理バッシングは、一国民としても非常に聞き苦しく、つらいものがあります。
野党も総理の個人攻撃はもうおやめになって、与党の政策批判・対案提出の正攻法で堂々と政権をとられてください。
労働法の規制緩和による非正規の拡大・地方の衰退・医療の全国崩壊・・に反比例して大企業の資産だけが大きく増えた今日の社会システムを何年かかろうが正してください。
その前にまた多くの社会的弱者の方が、間に合わず亡くなるかもしれませんが、でも方向転換の希望だけは国民に示してください。
投稿: ひろみ | 2008年11月23日 (日) 18時30分
>政治家は政策の前に、価値観を示さなければならない。自らの人間を晒(さら)さなければならない。
もし機会があれば、この点を他の民主党候補者に強調していただきたいと思います。
私の選挙区では与野党の候補者とも政策論を売り物にしていて、双方ともに選挙区の決定的な支持を受けるに至っていないのではと個人的に感じます。
投稿: | 2008年11月24日 (月) 08時47分
馬渕先生、こんにちは。
早朝の近鉄奈良駅前での街頭演説の姿をよく拝見します。本当にご苦労様です。
麻生政権は本当に何をやっているのか分かりませんね。今度こそ本当に民主党が政権を担うことになりそうですね。がんばって下さい。
投稿: 羽根布団セット通販 | 2008年12月 2日 (火) 22時18分