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「酸化マグネシウム」の長期投与に注意

11月27日21時27分配信 医療介護CBニュース


 胃潰瘍や十二指腸潰瘍などの治療薬として用いられる制酸剤である「酸化マグネシウム」の副作用について、厚生労働省は11月27日に発表した「医薬品・医療機器等安全性情報」で、「本剤の投与により高マグネシウム血症が表れることがあるので、長期投与する場合には定期的に血清マグネシウム濃度を測定する」よう注意を呼び掛けている。

 医薬品や医療機器などの安全性について、厚労省がほぼ毎月1回公表する「医薬品・医療機器等安全性情報」のNo.252によると、施設に入所していた認知症の80歳代の女性が、便秘症の治療のために「酸化マグネシウム」を投与されたところ、突然大量の下痢を起こし、意識消失のため救急搬送された。
 女性は、血清マグネシウム値が「17.0mg/dL」と高く、ショック状態のため、カルシウム製剤投与と急性血液浄化(HD)が行われた。しかし、血清マグネシウム値は徐々に低下したものの、敗血症を併発。腹水から「bacteria」を検出したため、腸管壊死が疑われたが、手術に至ることなく死亡した。

 厚労省は「酸化マグネシウムによる高マグネシウム血症については、添付文書の『副作用』の項に『高マグネシウム血症』を記載し、注意喚起を図ってきた」とした上で、「医療関係者におかれては、酸化マグネシウムの投与中においては、高マグネシウム血症の初期症状に十分注意するとともに、特に長期投与する場合には定期的に血清マグネシウム濃度を測定するなど、異常が認められた場合に適切な処置が取れるよう、さらなる注意をお願いする」と呼び掛けている。
 厚労省によると、「高マグネシウム血症」が表れると、呼吸抑制、意識障害、不整脈、心停止に至ることがある。このため、「悪心・嘔吐、口渇、血圧低下、徐脈、皮膚潮紅、筋力低下、傾眠等の症状の発現に注意するとともに、血清マグネシウム濃度の測定を行うなど十分な観察を行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと」を求めている。

 厚労省によると、酸化マグネシウムは1950年から便秘薬や制酸剤などとして広く使用されており、関係企業が推計した年間使用者数は約4500万人(2005年)。
 05年4月から今年8月までに報告された、酸化マグネシウムの服用と因果関係が否定できない高マグネシウム血症15例(うち死亡2例)について専門家が検証したところ、「統合失調症や認知症を合併している患者などに対して、漫然と長期投与されていたと考えられる症例」「高マグネシウム血症による症状と気付かないまま重篤な転帰に至った症例」が認められたという。


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最終更新:11月27日21時27分

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