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2008-12-12 11:04:51 stanford2008の投稿

桜井淳所長の最近の講演内容-すべての商業機器・施設における大事故の歴史構造-

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【講演要旨】工学部の学生には、耳の痛い話になりますが、歴史的に分析すれば、すべての商業機器・施設(石油化学コンビナート・製鉄所・一般産業生産施設・航空機・地上高速移動体・原子力発電所等)においては、設計に従事したエンジニアが考えられる最大規模の事故を起こしており、しかも、事故の発生・拡大メカニズムは、発生確率の小さな決して少なくない事象の"連鎖的共倒れ現象"になっており、たとえば、1979年に発生したスリーマイル島原子力発電所2号機の炉心溶融事故や1986年に発生したチェルノブイリ原子力発電所4号機の反応度事故は、そのことを如実に物語っており、個々の事象の発生確率から最終的な事象の発生確率を厳密に計算したならば、これまで公表されている値よりもはるかに低く、10のマイナス6乗とか7乗のオーダーになり、エンジニアの想定(常識的に考えられること)の範囲を超えていますが、エンジニアの意識は、大事故が発生して、初めて、変革され、その意味では、スリーマイル島原子力発電所事故やチェルノブイリ原子力発電所事故の例は、あらゆる商業機器・施設の安全性を考える上で、教科書的存在ですが、商業機器・施設の中で、唯一、現実的な工学的安全対策を施していなかったのは、地上高速移動体だけであって、その分野の決定的な意識変革は、1998年に発生したドイツ新幹線ICE(アルミニウム製車体、しかし、アルミニウム製が悪いのではなくて、事故を想定した現実的な工学的安全対策が施されていないことが問題)や2005年に発生したJR西日本尼崎の脱線・転覆事故によって、もたらされたと言って良いでしょう(両例とも、"衝突実験データ"を基にした"最適構造設計"をしていたならば、死者半減できたはずです)(後者の事故調査報告書には、車両構造の改善点が具体的に記されていますが、大事故を経験して初めて指摘するほど考えずらいことでもないように思えます)。
2008-12-12 09:44:56 stanford2008の投稿

「第2回弘道館・偕楽園公園の歴史・自然探訪セミナー」の反省事項 6-科学史研究の視点やや欠如-

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"水戸"スタッフは、桜井淳所長のアイディアを実現すべく、今年(CY)は、いくつかの学術セミナーを立ち上げに協力しましたが、反省点が多く、改善しなければなりませんが、しかし、改善は、十数回実施したセミナーでも、一番古い二十数回実施したセミナーでも、いまだに、レクチャ内容の追加や削除をしたり、説明の仕方を工夫しているようですので(新たな視点については定期的に学会論文誌に投稿)、このセミナー(桜井所長がここ20年間の来客者を案内した知識と経験が基になっています)のように、これまでの理工学・哲学のセミナーと異なるものについては、すなわち、自然探訪による新たな自然発見をとおして気分のリフレッシュや観察・見学対象に対するほんの少しの歴史的(科学史)考察を追加する等、両者のバランスをほど良く保つことが欠かせず、たとえ、多くを語ることができないにせよ、弘道館と好文亭の科学史研究の視点は、広げていかなければならないと受け止めています(テキストとして小冊子の作成に努めます)。
2008-12-11 21:20:00 stanford2008の投稿

"水戸"で話し合われた渋谷駅に展示されている岡本太郎作の壁画について-許容できない違和感の根源-

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"水戸"でのいつもの休み時間の時、桜井淳所長から問題提起があり、それは、渋谷駅(JR渋谷駅からビル内2階を通って京王井の頭線渋谷駅の改札口までの中間点)に展示(一時的ではなく、永久に近い)されている岡本太郎作の大きな壁画「明日の神話」(縦約5m横約30m(一部欠落しているように見えます)、メキシコにあったものを日本に戻し、修復して展示)のことであり、桜井所長に拠れば、雰囲気からして、展示場所を間違えているのではないかという違和感が感じられ、やはり、立派な美術館かそれに匹敵する施設に展示すべきであり、混雑しているビル内に、しかも、不心得者から損傷されやすい高さに、むき出しに展示されていることに、さらなる違和感を感じるそうです(そこは桜井所長の東大駒場キャンパスへの"通学"の途中の通行者の多い通路です)。
2008-12-11 20:18:23 stanford2008の投稿

桜井淳所長から京大原子炉実験所のH先生への手紙 -『科学・社会・人間』No.105の感想-

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H先生



原子力発電所の災害評価についての記事の感想ですが、結果は、計算条件によって、数桁も変わるため、著者の立場からすれば、最も厳しい(あるいは、最も厳しいと思われる)条件での結果を記したいのでしょうが、世の中を相手にする場合には、自身の考え方や哲学だけではなく、学問や情報の客観性からして、(1)発生確率を推定しておくこと(取り上げている事象の発生確率は10のマイナス8乗オーダーと推定されます)、(2)計算条件における個々の不確実性を明記しておくこと、(3)評価結果の最小値・平均値・最大値を明記しておくこと等が不可欠であるように思えます。


災害評価ですから、最も厳しい結果を示し、原子力政策や原子力災害対策に生かしてもらいたいのでしょうが、ただ、それだけではなく、もう少し、客観的視点が必要かもしれません。評価手段は、妥当であり、問題は、評価の考え方、分かりやすく言えば、計算条件だけだと受け止めています。



桜井淳

2008-12-10 18:28:58 stanford2008の投稿

桜井淳所長から京大原子炉実験所のT先生への手紙-「炉心が空中に浮いて爆発した」って-

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T先生



12月第二週の1週間、モスクワ訪問とのこと、ついでに元クルチャトフ研の研究者で、チェルノブイリ石棺に入り浸りになって、積算20Svも浴びているというCheCherovさん(「炉心が空中に浮いて爆発した」という説の提唱者のひとり)に会うとのこと、継続的な努力に、心より敬意を表します。


私は、機会がないために、モスクワには、もう、10年も行っていません。モスクワ郊外にあるクルチャトフ研究所は、歴史があり、核融合のトカマク方式等、数々の世界的業績を上げた世界的原子力研究所であり、私は、バラック建てのプラズマ研究棟の中に設置されていた世界で最初に超電導磁石を採用したトカマク試験装置T-15の上に乗り、背広を着たまま、真空容器の中に入ったこともあります。


「積算20Svも浴びている」ということですが、当然、全身被ばくでしょうから、無事でいられるのが不思議なくらいです。実に怖い世界の出来事です。


チェルノブイリ4号機反応度事故には、まだ、まったく分からないことが多く、たとえば、本当の印加反応度や炉心破壊のメカニズム等、中には、「炉心が空中に浮いて爆発した」という説もあり、そのエネルギーが何なのか、非常に興味ある問題です。


「原安協だより」(No.150(1996.2.25))には、「過度時の急激な熱サイクルによって複数の圧力管の下部溶接部が破損し、中の水のジェット噴射によって原子炉全体が10m以上も飛び上がった(Nucl.News, p.18, May(1995))」と記載されていますが、ジェット噴射での説明では、無理があります。「炉心が空中に浮いて爆発した」という説の物理的根拠が知りたいものです。


帰国後、ぜひ、新たな情報をお聞かせください。



桜井淳

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