ログイン
IDでもっと便利に[ 新規取得 ]

ジャンル
サブジャンル

雑誌記事

戸田覚流!中古パソコン購入術 (下) 壊れにくい“良品”の見分け方

nikkei TRENDYnet12月12日(金) 10時42分配信 / テクノロジー - テクノロジー総合
戸田覚流!中古パソコン購入術 (下) 壊れにくい“良品”の見分け方
今回は、具体的な中古パソコンの選び方やチェックポイントを紹介する。実際に店頭で購入したい機種を見つけたときに、失敗しないための確認方法だ。
 今回は、具体的な中古パソコンの選び方やチェックポイントを紹介する。実際に店頭で購入したい機種を見つけたときに、失敗しないための確認方法だ。

【詳細画像または表】

 そもそも、中古パソコンは1台ごとのコンディションが異なるので、できれば実物を確認したい。古くて安いモデルほど個体差が激しいのである。通販で買うのは避けたいところだ。ただ保証付きの未使用品なら通販でも何ら問題はないだろう。

 パソコンとて普通の道具と同じだ。経年と利用頻度が少ないほど、壊れる可能性も減る。ヤレていないパソコンを選ぶのが大切だ。もちろん、毎日十時間使ったパソコンが、新品よりも壊れないこともあり得る。だが、それはあくまでも運のうちだ。できるかぎり、“使われていない”パソコンを探すのが賢い買い方だ。

まず最初はキーボードを確認!

 最初にチェックするのは、キーボードのすり減り具合だ。キーボードは1〜2年使い込むと、明確な変化が現れる。キートップが光り始め、文字がすり減って消えたりするのだ。キートップの文字が消えていたら相当に使い込んだ証だ。なかには文字が消えにくいモデルもある。そのときには、DFGHJKあたりのキーとファンクションキーの色合いを比べてみよう。表面の光沢などに差があれば、やはり十分使い込まれているのだ。キーの表面にある光沢の差が激しいほど利用頻度が高いと思って良いだろう。

 パームレストをよく見ると、やはり色が変わっている機種がある。使い込むと手に触れる部分が劣化してくるのだ。

液晶を厳重に確認したい

 キーボードをチェックしただけでは、十分とはいえない。なかには、キーボードをあまり使わずに、マウスばかり操作しているユーザーもいるのだ。

 こうなると非常にチェックしづらいが、まず液晶を確認してみよう。液晶のバックライトは一般に、使い込むほど暗くなる。輝度を最大に上げて明るさを確認したい。

 ただしまったく同じモデルがないと、どの程度劣化しているかは比較しづらい。もっとも実際には劣化していなくても、自分の目で見て暗いと感じたら、毎日使ってストレスがたまるので敬遠するのが無難だ。

 同時に色むらなども確認する。液晶の面を指で強く押したり物をぶつけたりすると、部分的に明るさのムラが生じる。キーボードの跡が液晶面に付いている中古品も、ラフに扱われている可能性が高い。

傷は0.1秒で付くので気にしない

 例えば、美しいモバイルノートの天板に大きなひっかき傷があったら――僕はまったく気にしない。傷など、ちょっとしたアクシデントで付く。0.1秒のミスでもひっかき傷はできる。全体に痛んでいないのに傷のために安く売られているなら、喜んで買おう。

 モバイルノートなら、傷よりカドに生じる塗装のはげを確認しよう。持ち歩きの頻度が高いと、カドがこすれて下地が出てくる。使い込んだ証である。

 外観でチェックするべきは、くどいようだが美しさよりヤレだ。ただ、天板やパームレストにシールを貼り付けた後のある中古品は、マイナスした方が良い。パソコンをきれいに使おうと考えている人は、間違ってもステッカーなどを貼らない。べたべたと天板をシールだらけにしている人は、だいたいラフに扱っているのだ。その跡が残っているなら、光に焼けているわけだから、長期間貼られていた物証だ。

ACやバッテリーを確認

 バッテリーは消耗品なので、どの店舗でも保証外となっている。もちろん、売る姿勢として正しいと思う。だが、買う段階で確認ができるならした方がよい。普段はA4ノートをACつなぎっぱなしで使うとしてもだ。持ち出したときに1時間程度は持って欲しい。モバイルノートの場合はバッテリーがヘタっているなら、別売のバッテリーを購入する予算を考えたいところだ。バッテリーを新品で買うとかなり高い。

 バッテリーのヘタリは、充電ユーティリティーで確認できる機種が多い。充電回数などを確認すると、目安にはなる。

 つい忘れがちなのがACアダプターだ。ACアダプターのケーブルに傷があると、利用中にトラブルが生じることがある。ACアダプターが汚れているショップは、商品クリーニングがちゃんとできてない。安いだけの店で買うと後悔することもある。

マニュアルはなくても良いがリカバリーディスクは必須

 よほどのビギナーでない限り、マニュアルがそろっていなくても困ることはないだろう。逆にマニュアルがないと不安なビギナーなら、中古パソコンを買うべきではない。もしマニュアルがないモデルを購入したら、メーカーのWebサイトから情報をダウンロードすればほぼ問題ない。特に、リカバリーの方法がWebサイトに出ているかどうかはできる限り確認しておきたい。出ていない場合には、パソコンのヘルプにあるリカバリーの方法を調子が悪くなる前に確認して印刷しておこう。起動しなくなってから調べようと思っても後の祭りだ。

 リカバリーディスクは、必ず付いていることを確認しておくこと。最近のモデルの中にはディスクが付属せずに自分で作るタイプもある。その場合はディスクがなくても良いのだが、モバイルノートの場合はドライブがないと作れないので気にとめておきたい。

買ってきたらするべきこと

 中古パソコンを買ってきたら、使い始める前にやっておきたいことがある。購入直後に動作や付属品などを確認して、問題があれば交換や修理をしてもらおう。仮に保証がない店だとしても、買った当日や翌日に「付属品が違う」「スイッチが動かない」といったクレームを申し立てれば、普通は対応してくれるだろう。この確認作業を忘れて数カ月後に申し出てても、対応してくれなくても致し方ない。中古パソコンを買うなら、手間を惜しまずに確認することだ。

 まず同梱品のチェックだ。ごくまれだが、違う機種のACアダプターが付いていたり、マニュアルが違ったりすることがある。たくさんの商品を扱うショップだと、他の商品のものと取り違えてしまっていることもある。

 次に、すべてのボタンやコネクターがちゃんと使えることを確認する。USBポートすべてにマウスをつないでみたり、ディスプレイコネクターにもモニターなどをつないでみよう。もちろんできる範囲でかまわない。マイク端子が不調で雑音が入ったり、USB端子の接触が悪くないかも確認する。電源や無線LANのボタン、ワンタッチボタンなども正しく動作することを確認する。ドライブ搭載モデルなら、ちゃんとDVD-Rなどにデータが書けることも確認する。キーボードのキーが全部生きていることも、チェックするべきポイントだ。

 大手の中古ショップではこの種の作業は全部済ませているはずだ。だが、人のすることにミスはつきものだし、展示後の故障も皆無ではない。取り返しが付くうちに確認しておくのが大切だ。

著者

戸田 覚(とだ さとる)

1963年生まれのビジネス書作家。著書は90冊に上る。パソコンなどのデジタル製品にも造詣が深く、多数の連載記事も持つ。日経トレンディネットでは、ほかに「戸田覚の1万円【自腹】研究所」を連載中。ユーザー視点の辛口評価が好評。ブログでも各種追加情報を記載しています。



【関連記事】
  ソフマップに聞く「ノートPCの売れ筋」――Aspire oneなど日本エイサー製品が人気
  弁護士・八代英輝氏――睡眠3時間半の日々を支える「創造」への尊敬と憧れ
  実録! あるビジネスマン(弟だけど…)にぴったりのネットブックを姉がお見立て
  SIMロックフリー端末「P3600」が1万7980円! 低予算で楽しめる面白アイテムが多数
  ミニノート完全カタログ2008【前編】
  • 最終更新:12月12日(金) 10時42分
  • ソーシャルブックマークへ投稿
  • Yahoo!ブックマークに登録
  • みんトピに投稿
  • はてなブックマークに追加
  • newsingに投稿
  • Buzzurlにブックマーク
  • livedoorクリップに投稿
  • Choixにブックマーク
  • イザ!ブックマーク
ソーシャルブックマークとは

提供RSS