2008年12月12日 16時0分更新
東北地方で初めて福島市の県立医科大学附属病院に導入されたドクターヘリについて、福島県内だけでなく山形県や宮城県からも患者を運べないかどうか、今後検討が始まる見通しとなりました。
ドクターヘリは消防からの通報を受けると救急専門の医師が乗って現場に急行し、搭載している人工呼吸器や心臓モニターなどを使って機内で治療も行えます。
ことし1月、東北地方で初めて福島県立医科大学附属病院に導入され、11月末までに200回出動しましたが、出動先は原則として福島県内に限られています。
これに対して山形県や宮城県の医師などからは、東北地方にまだ1機しかないドクターヘリをより有効に活用するためにも県の単位を超えた広域的な運用を求める声が寄せられているということです。
このため福島県や県立医科大学附属病院では、福島県内だけでなく山形県や宮城県からも重いけが人や重症の患者を運べないかどうか、導入後1年間の実績などを検証した上で今後、検討を始めることにしています。
具体的には、ヘリの運営費の負担をどうするのかや、出動要請の方法、それに着陸場所などが検討課題となる見通しです。
県立医科大学附属病院にはこれまでにも山形県や宮城県の南部から重症患者などが救急車で運ばれてきていることから、ドクターヘリの活用によってこうした患者の救命率が向上するのではないかと期待されています。