来春に「新居」に引っ越すアカゲザルたち=堺市堺区
新猿舎の完成予想図。見物客は餌を与えられなくなる
堺市が管理する大浜公園(同市堺区)の猿山で集団肥満に陥り「メタボ猿」のあだ名までついたアカゲザルに、来春新たな住まいが完成し、運動できる空間が1.5倍に広がる。もらいたい放題だった見物客からの餌やりも防げる「豪邸」で、市は「新居でスリムになっていくサルを温かく見守って」と話している。
市の計画によると、新居は今の猿山の西側に建設。約250平方メートルの鉄骨舎内に、鉄棒がある遊び場4カ所やプール(縦8メートル、横3.5メートル)をつくり、猿が存分に遊び回れるようにする。見物客との間には高さ6メートルの網目状のさくを設置して餌やりを防止する。
猿山では約50匹のアカゲザルが暮らしているが、昨秋の体重は序列上位の5匹がいずれも15キロ以上あり、最も重い雄は29.2キロと平均的なアカゲザルの約3倍。職員は「毎朝1回の餌だけになれば、ぐっとスリムになるはず」と期待する。
猿山は1937年、市民がアカゲザル25匹を寄贈したことをきっかけにできた。近くには水族館のほか馬やラクダもいて人気を集めたが、1961年に台風で水族館が壊れると、馬やラクダも他の施設に売却。アカゲザルだけが残り、訪れる人も急減した。
猿山はコンクリートの壁と池に囲まれ、訪れる人が自由におにぎりやピーナツ、バナナなどを与えていた。これがあだになり、「虐待では」という声も出るほどの肥満ぶり。市大浜公園事務所は昨年6月から、徐々にイモ類を減らして小麦を増やす食事制限をし、今はカロリーを6割カット。猿山の外壁には「サルに食べ物を与えないで!」と書いた看板も設けた。
常連の見物客は「以前は膨らんだおなかが地面についていたが、最近は脚が見える」。長谷川昌治所長も「見た感じではちょっとスリムになった。新居で生育環境はさらに上がる。温かく見守ってほしい」と話している。(岡本玄)