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7月末に廃業した日雇い派遣大手のグッドウィルが給料から不透明な天引きをしていた問題で、同社に派遣労働者として登録していた福岡市の男性(33)が、同社に天引きされた約4万7千円(遅延損害金を含む)の返還を求めた訴訟の判決が4日、福岡地裁であった。藤田正人裁判官は「天引き分を保険料などに用いるとしながら、具体的用途を何ら明らかにしない」と同社の不法行為を認定し、男性の請求通り同社に約4万7千円の支払いを命じた。
判決によると、男性は03年7月から1年間、同社支店の登録スタッフとなり、日雇い派遣で労働。その間、ユニホームなど安全のための装備を整える「データ装備費」の名目で、給与から業務1回につき200円、総額約4万円を天引きされた。
藤田裁判官は、就業規則上、同社はデータ装備費を原資の一部にして、スタッフ用のユニホーム購入や保険料の支払いなどをする債務を負っていたと指摘。その上で「同社は支払いの具体的内容を明らかにできておらず、不合理だ」と述べた。
同社の代理人らによると、同様の訴訟は東京、名古屋(訴えを取り下げ)両地裁などで起こされていたが、判決は初めてという。男性は「当然の判決。返還される金額は少額だが、泣き寝入りはしたくなかった」と話した。