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【社会】『武士道サンキュー』 旧海軍艦長が救助の英国人2008年12月8日 朝刊
「武士道の精神を示してくれてありがとう」。第二次世界大戦で乗艦が撃沈され、一日漂流した後、旧日本海軍の駆逐艦「雷(いかずち)」に救助された元英国海軍中尉のサムエル・フォールさん(89)が七日、救助を指示した当時の雷艦長・故工藤俊作さん(一九七九年没)の墓がある埼玉県川口市の薬林寺を訪れ、墓前に花を供えた。 フォールさんによると、旧日本軍と連合国艦隊は一九四二年、インドネシアのスラバヤ沖で対峙(たいじ)。乗っていた駆逐艦「エンカウンター」は撃沈され、百六十三人が救助された。他の船も合わせると、救助された英国兵は四百二十二人に上るという。 「皆さんは帝国海軍の名誉ある客人です。勇敢に戦った英国海軍に敬意を表します」。艦上で工藤さんは、こう話した。 終戦後、丁重に扱われたことを英国紙に寄稿するなどして、工藤さんの功績をたたえた。一方で工藤さんの消息を求め、二十年ほど前に他界していたと知る。あきらめきれず、五年前に来日して墓所を捜したが、分からないまま帰国。その後、墓所が判明し、再来日した。 墓前に立ち「サンキュー」と心の中で唱えた。六十六年間抱き続けてきた感謝の念がようやく伝えられた。
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