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【医のあした】

県立延岡病院 救急外来が「自粛」で3割減

2008年12月11日

 医師不足による過重労働が深刻化していた県立延岡病院(延岡市)で、今年4月から10月までの救急外来が前年同期比で約3割減ったことが10日、明らかになった。医師の負担軽減のため、県や市が安易な時間外受診の自粛を呼びかけていたことが奏功。県は引き続き、「地域医療を守るために、まずはかかりつけ医や夜間急病センターを利用して」と訴える。

 同日の県議会本会議で、社民党の太田清海議員(延岡市)の一般質問に甲斐景早文・県病院局長が答弁。この間の救急外来は2859件で、昨年の3988件から約3割減った。

 病院局によると、同病院は97年11月の改築後、休日・夜間の外来が急増。98年度は改築前の5割増に当たる約3千件で、06年度は約6千件に。昨年1年間には約9千人が受診したが、7割ほどは風邪などの軽症の患者だったという。

 そのため、県と市は今年4月以降、新聞広告やホームページ、ポスターなどを使って市民らに、いわゆる「コンビニ受診」を控えるよう繰り返し要請。7月から、延岡市医師会病院に隣接する同市夜間急病センターが土曜日午後に診察するようになったことも影響したとみられる。

 県立延岡病院の就業環境が厳しいのは、地域内に夜間も開いている病院が少なく、宮崎市など他の都市部にも遠いため患者が集中するからだ。現在の平日の当直医は1人か2人で、一晩に平均14人の急患を診るという。

 病院局は「今は医師たちの必死の頑張りでもっているが、安易な受診が減らなければ高度な検査や手術が必要な重篤患者を治療するという本来の役割に支障が出る」と話す。

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