「高度医療」に2例目を承認
厚生労働省の先進医療専門家会議(座長=猿田享男・慶大名誉教授)は12月11日、前立腺がんに対する「根治的前立腺全摘出術における内視鏡下手術用ロボット支援」を、薬事法上の承認がない医薬品を使用しても一定の条件を満たせば保険診療と併用できる「第3項先進医療」(高度医療)として承認した。第3項先進医療としての承認は、8月の「腹腔鏡補助下肝切除術」に次いで2例目。
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第3項先進医療は、今年4月にスタートした「高度医療評価制度」に基づくもので、薬事法上の承認がない医薬品や医療機器でも、一定の条件を満たせば保険診療との併用が可能になる。厚労省医政局の高度医療評価会議が承認した医療技術を、保険局の先進医療専門家会議が承認する流れだ。
今回承認された「根治的前立腺全摘出術における内視鏡下手術用ロボット支援」では、国内未承認の「ダビンチサージカルシステム」(インテュイティブサージカル社製)を使用。立体画像で観察しながら手術操作を行えるため、従来の手術に比べて出血量が少なく、勃起神経を温存しやすい。また、内視鏡下手術に比べると習熟期間が短くて済むという。同会議は、前立腺がんを対象とする場合に限って承認した。
承認申請した東京医科大病院のほか、協力医療機関の九大病院と金沢大附属病院による実施が、来年1月から認められる。東京医科大病院で典型的な症例に掛かった費用は、自己負担72万円、保険給付120万7000円という。
同会議はまた、先進医療として10月に届け出があった「マイクロ波子宮内膜アブレーション」を承認した。適応症は、「機能性および器質性過多月経」のうち、妊孕性の温存が不要で、子宮内膜がん・異型内膜増殖症等悪性疾患の疑いのあるものが除外されている場合。
マイクロ波子宮内膜アブレーションは、経膣的に挿入したマイクロ波アプリケーターによって子宮内膜を照射、壊死させる治療法で、過多月経に悩む患者のQOLを改善できる。
産婦人科か婦人科で実施する。「この技術の経験年数が1年以上」や「術者としての経験症例数が3例以上」の条件を満たす経験5年以上の産婦人科専門医が居る、などの施設基準を満たす施設が、地方厚生局に届け出れば実施できる。
更新:2008/12/11 21:33 キャリアブレイン
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