スカートの代わりにパンタロンの着用も認めることを決めたのは、仙台市青葉区の常盤木学園高校。全校生徒970人のうち、実に950人が女子生徒という「ほぼ女子校」だ。1928年の学校開設時に教師が自らデザインした制服は、緑のスカーフに襟に白い4本ラインが入るオーソドックスなセーラー服。「全国制服コンクールで2位になった」(同校関係者)ほどの人気で、2005年にはリカちゃん人形の“制服コレクション”にも採用された。
パンタロン導入は、自転車通学者の防寒対策として保護者から要請が寄せられたのがきっかけ。教職員を中心にデザインを協議し、2年越しで実現した。
「流行のブーツカットやローライズタイプのスラックスなど、いろいろな案が出た。試作版を生徒に着せてみましたが、いずれも腕を伸ばすと背中やおなかが露出して下着が露わになる。刺激的で高校生らしくないということで、最終的に理事長の判断でパンタロンに決定しました」(古川聡渉外部長)
古川渉外部長は「セーラー服は、もともと水兵さんの制服。どのパンツよりも似合う」と胸を張るが、このニュースが地元紙で報じられると、ネットには賛否両論が渦巻いた。
一部には≪女子高生はスカートだけで寒そうでかわいそう≫と評価する声もあるが、≪軍国主義の復活でけしからん≫≪戦時中の女学生のようだ。ダサい≫といったブーイングが大半だ。
女子生徒約950人のうち、自転車通学者は約300人。同校では今月5日から注文を受け付け、来年1月の新学期からの導入を目指しているが、いまのところ予約者は1人だけという。
古川渉外部長は「パンタロン購入は強制ではない。『絶対はかない』という子もいるし、『いい』という子もいる。反応はマチマチ」という。同校の決断はセーラー服に革命を起こすか−。