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2008年12月11日

 本社NY支局を訪れ、今季を振り返ったヤンキースの松井秀喜選手のインタビュー記事を読んで、おや、と思った。富山市出身の妻の方言に癒やされる、というくだりである

隣だから似て当然、「ダラ」をはじめ共通する方言も多い。が、隣同士で話していると、似ている部分よりも違いの方が、つい気になる。語尾1つとっても、「ちゃ」の連発がおかしかったり、「じ」や「げ」が汚く響いたりして、互いにヘンな言葉や、と思ったりする

隣同士でいると、ささいな事に目がいく。ふるさとを遠く離れた松井夫妻は、そんな小さな違いより、共通する北陸の息吹の方が数段大切なのに違いない。旅に出て知るふるさとの良さもある

富山で講演したタレントのダニエル・カールさんが、お国自慢とへりくだることの大切さを語っていた。20年前までは、そのバランスが見事だったのに、どうしたのか、と。「おら」と自称する米国人の、耳に痛い説教である

その薦めに従って、来年こそ松井選手自慢をしてみたい。できるなら、加賀、越中なまりの交じるお国言葉で、主砲復活の弁も聞いてみたい。


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