岡山放送局

2008年12月11日 10時39分更新

伊豫商事事件2審も懲役11年


岡山市の紙製品の卸売会社、伊豫商事の元取締役が、銀行から融資の名目で146億円余りをだまし取ったとして、詐欺などの罪に問われた裁判の2審で、広島高等裁判所岡山支部は「積極的に不正に加担した」として、1審に続き懲役11年の判決を言い渡しました。

この裁判で、伊豫商事の取締役だった西田嘉幸被告(49)は、平成14年から19年にかけて当時の他の役員らと共謀し、取引先だった全農の債務保証書などを偽造して4つの銀行に対し返済能力があるように装い、融資の名目で合わせて146億円余りをだまし取ったとして、詐欺などの罪に問われていました。

1審は懲役11年の判決を言い渡しましたが、西田・元取締役は「上の指示に従ったもので刑が重すぎる」として控訴していました。

10日の判決で広島高等裁判所岡山支部の小川正明裁判長は「被告は当時の代表取締役の指示を断ることができなかったと主張するが、2人で相談したうえで部下に文書の偽造を指示するなど、積極的に不正に加担した」と指摘しました。

その上で「会社では当時、代表取締役に次ぐ地位にあったことなどを考えると刑が重すぎるとは言えない」と述べて、1審に続き懲役11年の判決を言い渡しました。

伊豫商事をめぐる事件では、西田・元取締役以外に4人が起訴され、このうち当時の代表取締役など元役員2人は実刑判決、ほかの2人は有罪判決が確定しています。