1カ月遅れでノーベル受賞逃す? GFP研究で井上さん【ストックホルム9日共同】緑色蛍光タンパク質GFPの研究で、下村脩さん(80)ら3人に授与される今年のノーベル化学賞。受賞者発表以来、チッソ横浜研究所(横浜市)の次席研究員、井上敏さん(51)は周囲から「ノーベル賞を逃した男」と評されている。 井上さん自身は「みんなからそう言われるんですよ」と、全く気にする様子もない。 下村さんと同時受賞するマーティン・チャルフィー米コロンビア大教授は、遺伝子操作で線虫にGFPを組み込んで光らせ、ほかの生物にも応用可能なことを示したことが評価された。 光る線虫の写真が米科学誌サイエンスの表紙を飾ったのは1994年2月。一方、独自に研究を進めていた井上さんらが大腸菌を光らせた成果を発表したのは同年3月。わずかに及ばなかった。 「当時、世界で数人しか取り組んでいない研究だった」と井上さん。 研究を通じて下村さんとも長年の親交がある。「下村さんは自分で何でもできるから徒党を組まない。とても器用で、まるでピアニストのような指を持っている研究者だ」とたたえる。
【共同通信】
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