青森県の弘前市立病院(松川昌勝院長)は10日、80代の女性患者の腹部に穴を開け、胃に流動食を投与するチューブを交換した際、チューブが胃を貫通し、今年5月に女性が死亡したと発表した。同病院は「医療過誤ではない」としているが、遺族に慰謝料1200万円を支払うという。
同病院によると、女性は06年10月、脳梗塞(こうそく)の後遺症と認知症で入院。口から摂取ができなくなり、06年11月にチューブを入れた。同病院で3回目のチューブ交換をし、今年5月28日にグループホームに戻ったが、その翌日、顔色が悪くなり、汎発性腹膜炎と診断された。同病院で緊急手術を受けたが同30日未明に死亡した。
担当医は3回目のチューブ交換の際、チューブの先端が胃内部にとどまり、貫通していないことをエックス線で確認したという。松川院長らは「何らかの原因でチューブが移動したのではないか。病院側のミスではないが、通常は考えられない事故」として陳謝した。【塚本弘毅】
毎日新聞 2008年12月10日 20時50分