パキスタン、ムンバイ同時テロの容疑者引き渡しを拒否

(時事通信)

【イスラマバード９日ＡＦＰ＝時事】パキスタンは９日、ムンバイ同時テロの容疑者をインドに引き渡すことはないと表明した。同時に、インドとの平和を望んでいるが、もしインドが攻撃を決定した場合でも、戦争の準備はできていると警告した。≪写真は、インド北部パンジャブ州アムリツァルのヒンズー教寺院で、ろうそくをともし、ムンバイ同時テロの犠牲者を追悼するインドの人たち≫
　インド警察が同日、殺害されたテロ実行犯９人の名前を公表し、全員パキスタン出身者であると改めて主張したのを受けて、パキスタン政府が容疑者の扱いについての見解を示した。インド西部の商都ムンバイで先月起きた同時テロの後、インドがすべての選択肢が用意されていると発表したことから、両国の間で緊張が高まっている。
　パキスタンのクレシ外相は「われわれは戦争を望まない。しかし戦争を強要される場合に備えて、十分な準備をしている」と語った。同外相はさらに、「パキスタンはインドとの紛争を望まないという極めて明確なメッセージを送っている。われわれは友好、平和、安定を望んでいる。しかし、平和を求めるわれわれの願いをパキスタンの弱気とみなすべきではない」と述べた。
　クレシ外相はそのうえで、「ムンバイ同時テロの容疑者の引き渡しを求めるインドの要求は問題外だ。パキスタンは容疑者を自国領土にとどめる」と強調した。パキスタンは６日以降、同時テロの容疑者１６人を逮捕している。〔ＡＦＰ＝時事〕