マンション分譲大手の日本綜合地所(東京都港区)に内定を取り消された大学生らが9日、加入した東京東部労組の関係者らとともに同社と初の団体交渉を行った。同社はこれまで学生らに示していた補償額を増額させ100万円を提示したが、学生らは納得せず交渉は決裂。同社は11日に再回答を行う。
団交に臨んだのは男子学生3人。同労組や学生らによると、出席した総務部長ら4人が冒頭に謝罪。「留年して再度就職活動をせざるを得ない学生もいる」として、補償金の額をこれまで示していた42万円から100万円に増額する提案をした。
だが、留年した場合の学費や生活費、資格取得のための教材費や交通費、精神的な苦痛に対する慰謝料などを考えると「とても納得できない」として学生らは拒否。同社が「生活費については補償の必要はない」という認識を示したこともあり、話は最後まで平行線をたどったという。
再び就職活動を始めているという学生らは「全く誠意が感じられずがっかりした」として不信感を募らせた。