国の医師確保対策に基づき鯵ケ沢町立中央病院(星野恵治院長)に7月から派遣されていた内科医が、今月末で半年の期限切れを迎え、後任医師のめども立っていないことが9日分かった。今後、入院患者に対して十分なケアができないなどの影響が予想される。長谷川兼己町長と星野院長は、弘大や県立中央病院に出向いて現在の窮状を説明するなど新たな医師派遣を求めて奔走している。
同日行われた鯵ケ沢町12月定例会の一般質問で、長谷川町長らが答弁した。
国の緊急臨時的医師派遣システムは昨年5月の緊急医師確保対策で打ち出された。日本赤十字社が派遣元で、全国の日赤病院からこれまで北海道、岩手県など5県に医師を派遣している。
一方、2004年には常勤医9人体制だった鯵ケ沢町立中央病院は、その後は開業などにより整形外科医、内科医が減り、現在の常勤医は外科医3人、内科医が2人。小児科などその他の診療科は非常勤の医師が診療している。
同病院では今年1月、常勤の内科医が1人になる恐れがあったため県に相談。紹介された医師派遣システムを申請し、本県で初めて同システムを活用して派遣を受けた。
これまで名古屋、長崎、福岡、岡山、松山、広島の各病院からそれぞれ1週間程度、計19人の医師が派遣されている。
新たな医師確保に関して長谷川町長は「派遣元の日赤各病院にお礼を兼ねながら、今後のことについてもお願いしている」と説明。「病院には深浦町民も通院しているので、なんとか持ちこたえていかなければならない。院長も、事務長と一緒にあらゆる手段を使って医師確保に努めており、わたしも関係機関にお願いしている」と話している。