今年4月から始まった名張・伊賀両市の3病院による2次救急の輪番制で、名張市立病院(名張市百合が丘西1)が今年度上半期(4~9月)に受け入れができなかった救急患者数が計106人に上ったことが9日、分かった。域外の病院への収容まで、156分かかった事例も2件あった。【金森崇之】
開会中の定例市議会一般質問で、2議員の質問に亀井利克市長らが答えた。
名張市立病院には、両市の救急隊から905人の患者受け入れ要請があり、799人を収容した。受け入れできなかった理由は、医師が他の重症患者に対応中57人▽医師が手術中14人▽ベッドが満床3人--で、患者が軽症だったり、市立病院の専門外の病気だったりした場合が計32人だった。
また、名張市消防本部によると、同本部が上半期に搬送した救急患者のうち、当番病院での受け入れができなかったのは計60件。内訳は、名張市立病院45件▽岡波総合病院15件▽上野総合市民病院0件--だったという。搬送時間は平均39分42秒で、昨年に比べ6分12秒伸びた。
名張市立病院での受け入れ不能が75%と突出していることについて、亀井市長は名張市立病院の救急受け入れ日数が、他の2病院に比べて2倍であることなどを指摘。「比率が少しでも緩和できるように交渉を続けたい」としたうえで、「11年度をめどに、3病院の機能分担について結論を得なければならない」と述べた。
〔伊賀版〕
毎日新聞 2008年12月10日 地方版