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2008年12月10日

 「大翔」と書いて「ひろと」と読む。今年の赤ちゃんの名前で男の子の1番人気は、難読である。女の子の3位「陽菜」も、すぐには「ひな」とは読めそうにない

「石動(いするぎ)」「動橋(いぶりはし)」など、難読の地名は身近にもある。漢字を大切にする私たちの文化にはつきものの厄介さだが、地名に加え、難読の人名もどんどん増えそうな気配である

逆に、この国の指導者である太郎や一郎の名は、すっかり影が薄くなった。ベスト10はおろか、100位にも入っていない。麻生首相の父の名は太賀吉(たかきち)、小沢代表の父は佐重喜(さえき)。ともに難しい名である。だから息子には平易な名を、という親心が見て取れる。そんな名を持つ2人だが、その胸の内となると、まるで読めない

政局より政策、と言いながら、例の給付金が盛り込まれるはずの第2次補正予算を、太郎さんは臨時国会に提出しない。提出するならちゃんと審議に応じる、と一郎さんは言うが、与野党逆転の参院で、どんな手をもくろんでいるものか

国会戦術の駆け引きで、政治はさっぱり動かない。「難読」政治家まで増えるのだけは、願い下げにしたい。


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