DVDやビデオから動画を作る手順を解説してみます。
引き続きあくまでも自己流ですのでご容赦ください。m(__)m

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C音声部分の加工・・・SoundEngine Free(公式HPへ)

さて次は音声部分の加工です。DVDの音声部分は総じて音量が小さいので音量を上げてやらないと
出来上がった動画の音声部分が非常に聞き取りにくくなり。動画全体としての質が低下します。

そこで音量を上げる加工を行うわけですが、動画加工ソフトに付属していることの多い自動音量調整機能
『ノーマライズ(音量最大化)』を使うと音量が揃わないことがある上に、あまりにも音量自体が大きく
なることがある
ため、やはり人の耳で聞きながら微調整するのが一番ベストな方法だと思います。

この作業はWindowsに標準で搭載されているサウンド レコーダーでも行うことはできますが、
サウンド レコーダーは空きメモリ以上に大きなファイルを開くことのできない仕様のため
大きなWAVEファイルの加工には致命的に向きません。そのため音声の加工には必然的に
優秀なフリーソフトの力を借りることになります。自分はSoundEngine Freeを使っています。
フリーのソフトですが機能的に非常に充実しており、使い勝手も良いという秀逸な音声加工ソフトです。

まずは起動直後の画面です。

DVD2AVIで分離したWAVEファイルを読み込んでください。





これでWAVEファイルが読み込まれました。このSoundEngineはメモリ容量を遥かに超える
大きなWAVEファイルも問題なく扱える
ことと、加工ミスした場合には「Ctrl + Z 」キーを
押すことで一つ前の工程に容易に戻る
ことができます。ただし加工時に一時ファイルを
自動で保存しながら作業を行うため、HDD空き容量には十分に注意してください。

以下に音量の目安を書いておきます。

右チャンネルと左チャンネル2つの波長がありますが気にしなくていいです、どちらかで見てください。

ではこの波長を見ながら、ボリュームの調整を行います。



ボリュームのつまみをクリックして動かすこともできますが。最初から+150%(+3dB)と
+200%(+6dB)はライブラリに登録されています
ので、そこから選んでください。
先ほどの波形から音量をかなり上げても問題ないことが分かっていますので。
ここでは200%(+6dB)を選択してOKを押します。

しばらく待つと、200%の音量UPが反映されます。

もし反映結果の音量が小さすぎたり大きすぎたりした場合には、
「Ctrl + Z 」を押すことで音量調整前の音量に戻すことができます。
何回でもやり直して、納得のいく音量に調整してください。


音量の調整が終わったら、『上書き保存』を選択します。
これでDVD2AVIで分離した音声ファイルの音量調整は終了です。

また『名前を付けて保存』を選ぶことで元の音声ファイルとは別に保存することも
できますが、この際にはファイル名の語尾に拡張子「.wav」を書いて保存しないと
保存ができなくなっています、これはこのソフトの仕様ですので注意してください。




≫サンプリングレートを変更する場合

音声ファイルのサイズを削りたい場合、音声のサンプリングレートを変更する方法があります。
どうしても音質は犠牲にしてしまいますが、ファイルサイズを大幅に削ることができるという
無視できない方法です。必須の作業ではありませんが、ここでやり方を解説しておきます



48KHz(48000Hz)を22.05KHz(22050Hz)にすると、変換時に音ズレする可能性が高くなります。
SoundEngine Freeの作者(Cycle of 5th 氏[社?])が書かれているように、この機能はあくまでも簡易版で
精度がまだ低いことを考慮して使う必要があります。入力は44.1Khz(44100Hz)が望ましいです。
まあ、つまみを手動で動かすことで24KHz(24000Hz)にもすることはできますが・・・。(^^;

変換終了後は出来上がったファイルを保存します。

サンプリングレートを変えたことで、元の音声ファイルとは全くの別物になっていますので
上書き保存するのではなく『名前を付けて保存』で保存した方が良いと思います。
一度劣化してしまった情報は、もうどうやっても元には戻せないからです。

ファイルサイズの差を比較します。


このようにファイルサイズに大きな差が生じますが、その副作用として音質は劣化します。
サンプリングレートが22.05KHz(22050Hz)ということは、再生可能範囲はその半分の11025Hzまで
ということになり、この範囲では人間の最大可聴域よりも低くなってしまうからです。
要するに人の耳にも十分聞こえる高音域(11KHz以上)が完全に切り捨てられてしまうのです。

すいません完全に出鱈目なことを書いてました。(^_^; ご指摘がありましたので訂正をいたします。
サンプリングレートと可聴域とは全くの別物です。44100KHzとは音の情報を1秒間に44100回細切れにして
それぞれの時点の音声情報をデジタル情報にしたものだそうです。可聴域とはまるで関係がありません。
この数字が大きいほど滑らかな音声になり、少ないと当然音質が劣化していきます。
どうも『レコードとCDの可聴域の差』という記事から、サンプリングレートを誤って
理解していたようです。 ご指摘を頂き大変ありがとうございました、励みになります。(^^


普通に聞いても違いがあまり分かりませんが、音楽などが流れると劣化がはっきり分かります。

・・・という具合ですので、音質を優先にしたい場合にはこの作業は行わない方がいいです。
あくまでファイルサイズを小さくすることを優先にしたい場合のみ行ってください。
特に48KHzで音声を分離している場合には、この作業を行うこと自体が製作コンセプトに矛盾します。



D音声部分のエンコード・・・午後のこ〜だ(公式HPへ)

次に加工した音声ファイルをエンコードします。エンコーダーには音ズレを起こさないことで定評が有り
なおかつエンコード速度も速い午後のこ〜だを使用します
。('02 12/25 現在最新版はVer3.11)
最近 MP3 ⇒ WAVE のデコード機能も搭載して機能的にも更に使いやすくなりました。

さて動画の音声部分をMP3にして製作する場合の注意ですが、大きな問題点が1つあります。
それはMP3形式のファイルは動画の音声部分として指定ができないということです。しかし
それでは映像部分はエンコードで小さくしても、音声部分が全く小さくできないという困ったことになります。

そこでWAVEからMP3にエンコードしたファイルを、WAVEファイルに偽装してやる必要があるのです。
これを『WAVEヘッダ付きMP3』と言います。

この偽装を行うことでMP3形式の音声(表示はWAVE)を動画の音声部分として指定してやることが
可能になります。午後のこ〜だではこのWAVEヘッダ付きMP3を出力を簡単な設定1つで行なえます。


さて、まずは変換するWAVEファイルを読み込んでやる必要があります。




WAVEファイルを指定したら、追加したファイル名が表示されます。
ここからはMP3へのエンコード設定を行う必要があります。




『MP3出力設定』のタグから、出力するファイル形式をWAVE形式に変更します。
この設定を行わないと、次の映像/音声の結合工程時に音声部分が読み込めなくなります
WAVEヘッダ付きのMP3出力は必須ですので、必ず設定を変更してください。

次に『MP3設定』のタグから、ビットレート等の設定を行います。

設定の詳細は以下の表を参考にして下さい。

[メインとなるビットレートの設定欄]
標準設定である128Kbpsでも十分な音質が確保できます。
ギリギリまで削ろうと思うのであれば、サンプリングレートも考慮に入れ設定を行ってください。
≫入力が48KHzの場合
サンプリングレートが高いため質的に考えると112Kbps程が限界と思われます。標準128Kbpsでの 圧縮比はWAVEの約1/11。24分のアニメだと22MBほどのファイルサイズになります。
≫入力が44.1KHzの場合
48Khzに比べるとサンプリングレートが低い分保存の際に余裕があるため、96Kbpsぐらいにまで落としても 何とか大丈夫です。96Kbpsだと128Kbpsに比べて24分のアニメでは5MBほどサイズを削ることができます。 この差をどう考えるかは作り手次第です。
[サンプリングレートが24Khz以下の場合]

入力するサンプリングレートが24KHz以下と低い場合にはこちらの欄で設定を行います。先の音声加工の工程でサンプリングレートを 半分に変更している音声ファイルをエンコードする場合はこちらの欄で設定を行ってください。
≫入力が24KHzもしくは22.05Khzの場合
標準の80Kbpsより低くした途端にかなりの音質の劣化が発生します。そのため標準で使う方が良いと思います。 これ以下のビットレートでエンコードする場合は、ローパスフィルタ(※)を入れるなどの音質劣化の対応策を講じる必要が出てきます。
[出力チャンネルの設定]
基本的に標準からいじる必要はありません。
[ステレオ]左右別々の2つの音声データ扱いでエンコードします。
[共包絡ステレオ]エンコード中に常にステレオと和差ステレオのどちらが適切かを判断しながらエンコードします。 理想的なエンコード方法であるため標準設定になっています。
[和差ステレオ]左右のチャンネルを参照しながらエンコードを行います。 左右の音声データが似ている時はうまく圧縮できますが、似ていない場合は正しくエンコードができない場合があります。 [強制モノラル]2つのチャンネルを合成し強制的にモノラルにします。ビットレートを半分にすることが できますが質の劣化は著しく、また音量が上がってしまうという大きな副作用があります。
[プリエンファシスの設定]
標準からいじる必要は全くありません。
プリエンファシスとは、古い音楽CDなどで使われた高域強調処理のことです。このようなCDから音声ファイルを取り出すと 高音域が異常に強調された音声ファイルになってしまいます。
これはプリエンファシスが掛かったファイルをエンコードする際に高音域にフィルターをかけて正常に戻す(デエンファシス)するための 設定項目であり通常はまず使用する機会がありません。

※ローパスフィルタ・・・あまりにビットレートを下げすぎると、音がこもったようにエコーする不快な状態になります。
そのような場合にこのローパスフィルタ機能を使うと、音のこもりが改善され質が若干改善します

ただしこの機能はビットレート設定が高くローパスフィルタが必要ない時に使うと逆に音質を劣化させてしまうため
最近の午後のこ〜だではビットレートに応じて自動的に選択されるようになりました、設定項目はVer2.39を最後に
消滅しています。48KHzで112Kbps44.1Khzで96Kbpsを切る辺りから自動で設定がONになっているです。


最後に必要であるなら、エンコードの質の設定を行います。

この設定を変更することで、若干の音質向上が期待できますが、実際のところほとんど差は分かりません。
ビットレートを低く設定した場合などに、少しでも音の劣化を食い止める用途などで設定を変更してください。
なお高音質設定にすると、それに比例してエンコードに時間がかかるようになります。

以上で設定は終了です、音声ファイルをエンコードします。

エンコードが終了するまで、若干の時間がかかります。


無事エンコードが終了すると上の画面が表示されます。
このあとエンコードの終了したファイルについて質問が2つ出ます。

最初の質問です

まずはリストを残すか消去するかの質問です。
続けてビットレートを変えてエンコードなどをしない限り、消してしまって構いません。

続けて2つ目の質問です。

次はエンコード元のWAVEファイルを消去しても良いかの質問です。
別に消してしまっても構いませんが、この後失敗してもやり直しが効かなくなります。
ここはよく考えて選択して下さい。


最後に出来上がった音声ファイルを確認してみて下さい。


以上で音声のエンコードは終了です。
これで、映像部分と音声部分の加工は全て終了しました。
後は最終工程でこの2つのファイルを合体させれば動画は完成します。

編集・文責 OOT n-oot@earth.interq.or.jp



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