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高松塚古墳:女子群像に損傷 長さ3ミリ、幅1ミリ--機材で顔料分析中

 文化庁は9日、高松塚古墳(奈良県明日香村)の壁画修理施設で、「飛鳥美人」で知られる東壁女子群像の顔料部分を機材で損傷したと発表した。傷は長さ約3ミリ、幅約1ミリ。壁画保存のため昨年4~8月に石室を解体、壁画を取り出したが、損傷事故は壁画を修理施設に移して以後初めて。損傷事故は02年にも起きており、その際は公表しなかったため、当時の文化庁担当課長らが処分されている。

 文化庁によると、事故があったのは先月25日。同庁や奈良文化財研究所などの担当者計7人が壁画の顔料分析をするため、機材を使って作業していた。作業後に調査に立ち会っていた同庁担当者が、右端女子像の腰の緑色の顔料が削れ、しっくいの白地が露出しているのに気付いた。しかし損傷はないと判断、上司にも相談しなかった。

 8日になって写真を比較し、顔料がはがれているのを確認。9日に壁画を調べたところ、微細なしっくい片が壁面に落ちていた。今後詳しく調べ、はがれた部分と一致すれば、張り戻すことは可能という。小山竜司・同庁古墳壁画室長は、公表まで2週間かかったことについて「庁内での迅速な情報共有という点で問題があった。今後は遅滞なく公表したい」と弁明した。【林由紀子】

毎日新聞 2008年12月10日 東京朝刊

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