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塩の塊「取り換えて」

2008年12月09日

∞末はガラスか宝の山か…

 山形市の東北芸術工科大学の学生たちが、プロ野球・楽天イーグルスから譲ってもらう10トンの塩の引き取り手を探している。球場の誘客イベントに使った塩を芸術作品にできないかと、球団から無償提供を受け、学生たちは興味津々。だが、作品にすれば後はごみになる。食品として使うには不衛生だ。そこで、塩を加工する企業と物々交換し、わらしべ長者を目指そうと計画した。塩塊の行方はいかに。

楽天球団が芸工大に贈る 学生ら、引き取り手探し

 問題の塩は今、仙台市の球団本拠、Kスタ宮城の屋外に置かれている。1メートル四方ほどの袋で11袋。袋を開けるとカチカチに固くなっていた。この塩は、楽天が今春、球場前のイベントで使ったものだ。春には雪山に、夏には砂浜に見立ててファンを楽しませた。シーズン終了とともに処分を考えたが10月初め、同大が塩で芸術作品を作っていることを知り、「どうせ捨てるなら何かに使ってもらえたら」と無償で譲ることにした。

 球団から譲渡の知らせを受けた同大の広報担当者が、興味がありそうな学生を探したところ、芸術学部3年の飯塚咲季さん(21)が「塩? トン単位で? おもしろい」と直感し、数人の仲間に声をかけた。塩で作品づくりという案も出たが、鑑賞した後は捨てることになる。できるだけ有効に使いたいと考え、却下。「学校中に盛り塩」「大量の漬けもの」という案も飛び出したが、塩はイベントで使ったもの。食用には適さない。

 結局、紙やせっけんの製造過程、ガラス食器の原料として使う企業に物々交換をお願いし、わらしべ長者を目指すことにした。最後は何に化けるのか。学生たちは目標は立てず、過程での人との出会いを楽しんでいきたいという。

 一方で、塩の展示会も準備する。学内に10トンの塩を展示し、海でとれた塩が同大にやってくるまでの流れを映像やパネルで見せる予定だ。飯塚さんの友人で、作戦に参加する同学部3年の吉田勝信さん(21)は「企画を考えることで、塩の自給率とか普段は調べないことも分かるし、社会勉強になっておもしろい」と笑う。物々交換に応じてくれる企業や団体を探している。連絡先は同大(023・627・2246)へ。

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