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「父母の結婚」が必要なのは日本だけ? 国籍法条項「違憲」の大法廷判決

2008.6.4 15:31
このニュースのトピックス国籍法

 最高裁大法廷が4日、違憲無効と判断した国籍法の条項は、6年前の最高裁小法廷判決で、すでに合憲性を疑問視されていた。世界的にみても、未婚の自国民父、外国人母の間に生まれた子供の国籍取得に関して、「父母の結婚」を要件にしている国は「日本以外には見当たらない」と指摘する専門家もおり、この要件が特殊だったことがうかがえる。

 国籍法の「父母の結婚」の要件についての意見がついたのは、平成14年の最高裁第2小法廷判決。この訴訟は、今回と同じく未婚の日本人父、外国人母の間に生まれた子供が日本国籍の確認を求めたものだった。

 この訴訟の争点は、国籍法の別の条項の合憲性だったため、「父母の結婚」の要件についての憲法判断はせずに、原告敗訴の判決を宣告した。

 しかし、この判決では、5人の裁判官のうち3人が「父母の結婚」についての補足意見を付けた。

 補足意見は、「父母の結婚」が国籍取得要件になっていることについて、1人が「合理性に疑問がある」と、2人が「違憲の疑いが極めて濃い」とするものだった。

 国籍法の専門家もこの要件を疑問視している。

 中央大学法科大学院の奥田安弘教授によると、フランスやドイツでは、父が認知すれば、出生時にさかのぼって国籍を取得できる。ベルギーでは認知の時から国籍が認められる。韓国も認知で国籍が取得できるという。

 国籍の取得、喪失の要件は、それぞれの国の歴史、伝統などによって左右されるもので、多数の国にならう必要はないが、世界的にみて「父母の結婚」が重視されていないのは事実だ。

 奥田教授は「『父母どちらかが日本人ならば、子供は日本人』という血統主義を採用している日本では、本来ならば国籍取得要件に『父母の結婚』はいらなかったはず。もともとの制度設計もおかしかった」としている。

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