編集長より
   
    時代を見つめる確かな「眼」
   
   


6月16日 月曜日。
午後7時30分「クローズアップ現代」の生放送。
東京・渋谷の放送センター510スタジオは緊張感に満ちていた。
2日前に起きた岩手・宮城内陸地震で、用意していた内容を急きょ変更、地震直後から走り出した取材・制作チームが、ぎりぎりまで作業を続け、すべての準備が整ったのが、放送直前。
スタジオの国谷裕子キャスターは、それでも普段通り、冷静だ。
「最大級の土砂崩れはなぜ起きたか?」「被災地の方々の悲痛な思いは?」
視聴者が今、一番知りたい情報を分かりやすく伝えていく――




平成5年4月5日に始まった「クローズアップ現代」。
<ワンテーマ>、<VTRとゲストトーク>というキャスター情報番組のスタイルを貫きながら、放送回数も2600回を超えました。
番組は、毎回、最も旬なテーマを取り上げてきました。
災害、事件、事故は常に機動力を生かし、その背景や波紋などにも果敢に迫ってきました。
さらに国際経済、環境問題など地球規模のテーマについても、大きな時代の流れを読み解く番組を手がけてきました。
こうした中、一貫して変わらないのは、視聴者の関心と疑問に向き合い、一本一本を真剣勝負で伝えるという姿勢です。
それを可能にしてきたのは、圧倒的な番組の蓄積で培われた、時代を見つめる確かな「眼」です。

16年目の「クローズアップ現代」にも、引き続きご期待下さい。


NHK報道局・報道番組センター  岩堀 政則
NHK制作局・第2制作センター  佐藤 高彰

(平成20年6月)