医療事故、傾向は変わらず―評価機構報告書
日本医療機能評価機構はこのほど、今年7月1日から9月30日までに報告された376件の医療事故情報や、4月1日から6月30日までに発生した5万8600件の「ヒヤリ・ハット事例」を分析した「医療事故情報収集等事業第15回報告書」を公表した。医療事故、「ヒヤリ・ハット事例」ともに昨年同期とほぼ同じ傾向が見られた。
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同報告書によると、7月1日から9月30日にかけて、医療事故事例の報告が義務付けられている国立高度専門医療センターや国立病院機構が開設する病院など273施設から報告された医療事故は376件で、昨年同期の303件から24.1%増加した。
直接的な因果関係は不明だが、医療事故376件の6.1%に当たる23件は死亡事故。昨年同期の10.2%(31件)と比べ減少した。
当事者の職種は、「看護師」が最多で、「医師」がそれに続いている。当事者の職種別経験年数は、看護師の場合、「11−20年」が最多で17.5%、「21−30年」(14.6%)、医師は「11−20年」(36.4%)、「21−30年」(12.3%)で昨年同期と同じ傾向だった。
一方、4月1日から6月30日にかけて、調査に任意で参加している237医療機関で発生した「ヒヤリ・ハット事例」は、5万8600件で、昨年同期の5万6404件を約2000件上回った。
発生場所は、過半数の3万2086件(54.8%)が病室で、ナースステーションが5957件(10.2%)。当事者の職種は、看護師が70.6%で最も多く、医師は3.2%だった。職種経験年数で見ると「11−20年」が14.6%で最多。部署配属年数では、「0年」が最も多く1万3748件(23.5%)だった。いずれも昨年とほぼ同じ傾向となっている。
更新:2008/12/09 22:06 キャリアブレイン
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