京都放送局

2008年12月9日 18時5分更新

名義や判決は「馬場」名

京都家庭裁判所の書記官が振り込め詐欺事件で凍結された銀行口座の金を不正に移したとされる事件で、送金先の口座の名義人や偽の判決文の原告はいずれも「馬場」という架空と見られる人物の名前が使われていたことがわかり、警察は、書記官が一連の偽造についても事情を知っている疑いがあるとみて調べています。
逮捕された京都家庭裁判所の書記官の廣田照彦容疑者(35)が偽の振込依頼書を使って金を移したとされる銀行口座では、京都地裁名の偽の判決文によって送金が可能になったおよそ400万円が別の口座に移され、引き出されていました。
警察の調べによりますと、偽の振込依頼書には、大阪府内に住む「馬場」という男性の名前が送金先の口座の名義人として記されていたほか、偽の判決文の原告も同じ名前でした。
さらに、同じ原告名の偽の判決文は全国の複数の裁判所に送られていたということです。
警察の調べによりますと「馬場」という男性は、実在する裁判官と廣田書記官の名前が記された京都家庭裁判所の書類を使って戸籍を取得したことになっていましたが、この書類は偽造された疑いがあり警察は架空の人物だったとみています。
警察は偽の振込依頼書や判決文など一連の文書の偽造についても廣田書記官が事情を知っている疑いがあるとみて調べています。