2008年12月9日 15時45分更新
京都家庭裁判所の書記官が、振り込め詐欺事件で凍結された銀行口座の金を不正に移したとされる事件で、警察は、書記官が裁判所の決定によって戸籍を取得できる制度を利用し、架空の人物の戸籍を手に入れて金を移すための口座を作っていた疑いもあるとみて調べています。
この事件で逮捕された京都家庭裁判所の書記官の廣田照彦容疑者(35)が、偽造された振込依頼書を使って金を移したとされる口座では京都地裁名の偽の判決文が利用されて依頼書で指定された人物名義の口座におよそ400万円が振り込まれていました。
警察の調べによりますと口座の名義の人物は大阪府内に住む男性となっていて何らかの理由で戸籍を持たない人が裁判所に申し立てて戸籍を取得できる制度を利用し、去年9月、京都家庭裁判所の決定とされる書類を使って戸籍を取得したことになっていました。
この書類には実在する裁判官と廣田書記官の名前が記され、戸籍を取得する理由は「記憶喪失」とされていたということです。
しかし、警察が調べたところこの男性は実在しない疑いの強いことがわかりました。
このため警察は廣田書記官が裁判所の決定によって戸籍を取得できる制度を利用し、架空の人物の戸籍を手に入れて金を移すための口座を作っていた疑いもあるとみて調べています。