京都家裁を捜索し、段ボールに入れた押収品などを運び出す捜査員ら＝京都市左京区で２００８年１２月７日午前１１時４分、望月亮一撮影2008 毎日新聞社 ALL Rights Reserved.

＜文書偽造＞京都家裁書記官を逮捕　凍結口座不正解除の疑い

　虚偽の判決文に基づき凍結解除された銀行口座から現金を不正に引き出したとして、埼玉県警は７日、京都市伏見区、京都家裁書記官、廣田照彦容疑者（３５）を偽造有印私文書行使容疑で逮捕し、京都家裁などを家宅捜索した。県警によると、口座は振り込め詐欺に使われた疑いがあるとして一時凍結されたが、廣田容疑者が民事訴訟の判決文を偽造し、解除した疑いもあるという。
　調べでは、廣田容疑者は、口座を管理していた金融機関から送られた現金振り込み依頼書に、虚偽の名前を記入するなどした疑い。さいたま地裁などによると、この口座を巡っては今年９月、「別の口座の名義人に債権がある」という内容の判決文が同地裁熊谷支部に届いた。これを受け、同支部が金融機関に口座の凍結解除を依頼すると、間もなく口座から現金数百万円が引き出されたという。
　その後、判決文が偽造だったことが分かり、同地裁が刑事告発していた。県警は詐欺や偽造有印公文書作成・同行使容疑も視野に捜査を進めている。【浅野翔太郎】