【国際】6カ国協議きょう再開2008年12月8日 朝刊 【北京=福田要】北朝鮮核問題をめぐる6カ国協議の首席代表会合が8日に開会するのを前に、開催地の北京で7日、各国首席代表による事前調整が活発に行われた。ただ、焦点の核申告検証の文書化で、北朝鮮は核施設のサンプル(試料)採取の明記に強い難色を示しており、厳しい交渉となるとの見方が強まっている。 6日深夜に北京入りした北朝鮮の金桂冠(キムゲグァン)外務次官に続き、7日には外務省の斎木昭隆アジア大洋州局長、米国のヒル国務次官補、韓国の金塾(キムスク)外交通商省朝鮮半島平和交渉本部長が到着。日米韓の首席代表会合などが行われた。首席代表会合は8日午後から3日間の日程で始まる見通し。 ◆核検証で日本孤立懸念、拉致打開めど立たず8日から北京で開催される北朝鮮の核開発をめぐる6カ国協議。日本は焦点の北朝鮮による核申告の検証方法で「孤立」する懸念を抱え、日本人拉致問題でも打開のめどは立っていない。日本政府にとっては、試練の外交交渉になりそうだ。 日本政府は今回の6カ国協議で、北朝鮮の核申告の検証方法について、核施設からのサンプル(試料)採取を含め、文書に明記して内容を確認する「文書化」を強く主張している。7日の日米韓3カ国の首席代表会合でも、この方針で一致したが、米韓両国は譲歩の余地をにじませるなど、日本とは温度差もある。 ある協議筋は早くも「今回の6カ国協議は2(米朝)プラス3(中韓ロ)プラス1(日)だ」と、日本の「孤立」を予測する。 さらに、北朝鮮の核申告で検証方法が合意に達した場合、見返りとして実施される北朝鮮へのエネルギー支援も日本には問題になる。 日本は拉致問題を理由に、支援の提供を見送り、豪州など6カ国以外の国がその分を肩代わりする方向だが、6カ国協議での日本の発言力低下につながり、かえって拉致問題の解決にも悪影響を与えかねない。 その拉致問題も8月の日朝実務者協議で、北朝鮮が調査委員会を設置し、今秋までに調査結果をまとめることで合意したものの、北朝鮮は延期を通告。暗礁に乗り上げたままだ。 (北京で、清水孝幸)
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