ノービザの功罪 目的は大金稼ぎ
女性がらみ トラブル多発
韓日間のノービザ化を背景に、毎月100〜200人の韓国男性たちが日本にやってくる。観光客ではない。ホストたちだ。彼らは主に韓国女性ホステスを相手にする。最近では、日本のホストバーで働く場合も増えているという。以前は留学生などがアルバイト感覚で働く場合が多かった。現在は借金を抱える人などが、大金を稼ぐ目的で日本にやってくるケースが多く、金銭をめぐるトラブルも多いようだ。(鄭敏雄)
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韓国人向けに日本で発行される生活情報誌で、以前にはよく見かけた広告だ。最近ではめったに見ることができない。韓国からホストが大挙押し寄せているからなのだろう。
警察庁外事課によれば、日本で働く韓国人ホストは推定3000〜4000人。毎月100〜200人が職場を求め、来日している。その多くがクレジットカードなどで、借金を抱える20〜30代だ。
千葉県で、ホストクラブ従業員(韓国籍)の同僚殺害事件が起きたのは、今月4日のこと。
千葉県警松戸署によれば、シン・ジョンミン容疑者(31)は4日午前、松戸市竹ケ花の路上で、韓国籍の同僚、任希九さん(34)の腹部や左太ももを包丁で刺し殺害した。
「以前からこんな事件が起きてもおかしくないと思っていた」と話すのは、韓国ホストバーで働いたことのある李相培さん(36)だ。「昔はアルバイト感覚で働く人が多かったが、今では違う。もっぱらカネ目当てだ。当然トラブルも多い」
警察関係者は、韓国人ホスト増加の背景をこう説明する。
「日本で働く韓国女性ホステスの増加が、韓国男性ホスト需要の拡大につながっている」
ハンナラ党の朴宰完議員が3月末に発表した資料によると、日本の風俗店で働く韓国女性は約3万人に上る。中でも「エステ」や「デリバリヘルス」と呼ばれる風俗店で働く女性が目立つと指摘している。
日本語もできない、そんな彼女たちにとって韓国ホストバーは、異国での寂しさを紛らわすための空間なのかもしれない。韓国人ホストが増加するわけだ。
とはいえ、大金を落としていく女性客の数は限られている。そんな女性をめぐるトラブルは、ホストの間で絶えないという。
減らない韓国ホステスと増える韓国ホスト。現状ではこれといった対策がない。ノービザ化は、新たな悩みの種を抱えだした。 |