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一通の手紙から始ったクリスマス会45回目 京都タワー(1/2ページ)

2008年12月8日

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写真京都タワーの関係者からプレゼントのケーキを受け取る子ども=京都市下京区の京都タワー

 「このお金で子どもたちを楽しませてください」。64年末、京都タワー(京都市下京区)に500円が同封された一通の手紙が届いた。翌年、寄付を元に市内の施設の子どもたちをタワー展望室に招待し、プレゼントを贈るクリスマス会が始まった。善意の輪は途切れることなく続き、今年も京都タワーに8日、子どもたちの笑顔があふれた。

 「あそこが動物園かな」「新幹線が小さく見えるよ」

 今年のクリスマス会に招かれた幼児約60人が、展望室の望遠鏡をのぞき込みながら歓声を上げた。いずれも家庭の事情で両親と暮らせなかったり、障害があったりして施設で暮らす。文房具やお菓子の詰め合わせなどのプレゼント、特製ケーキを贈られると目を輝かせた。

 子どもたちを2回招いた年もあり、今年のクリスマス会は45回目。これまでに招待された子どもたちは約4500人になる。きっかけはタワー開業当日の64年12月28日、差出人に「下京区の一主婦」と書かれた匿名の手紙が、現金と共にタワーの運営会社に届いたことだった。善意を生かそうと翌65年2月、初めて子どもたちを招待。その年末にクリスマス会がスタートした。

 最初は毎月500円だった「一主婦」の寄付は途中から千円になり、欠かさず届いた。タワーは新聞広告を出したりして「一主婦」に名乗り出るよう呼びかけたが、誰かわからないまま、寄付は93年8月で途絶えた。後に「一主婦」の家族とみられる匿名の手紙が届き、亡くなったとわかった。

 しかし、善意のリレーは途切れなかった。「右京区のS生」「長岡京市在住」……。新聞記事を見た人などから続々と寄付が届いた。定期的に寄付を寄せた人は「一主婦」を含めこれまでに7人になる。

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