2008/12/8
「ヤッターマン」の実写映画化――それは多くの人間の度肝を抜くニュースだった。1977年1月、「タイムボカン」シリーズ第2弾として放映スタート。同シリーズ史上最長の全108話が2年間にわたって放映され、最高視聴率28.4%を記録。数々の流行語も生み出した国民的人気TVアニメ、それが「ヤッターマン」だ。オチャメなヒーローのガンちゃんとガールフレンドのアイちゃんが最強タッグを組み、正義の味方ヤッターマンに変身。悪役の枠を超えてキャラ立ちしたドロンボー一味、おもちゃみたいにキュートなビックリドッキリメカ、きっちりとパターンを踏襲した期待を裏切らないストーリー展開とマンネリを超えたお約束の笑い。「ヤッターマン」は放映終了後もさまざまなアイテムが商品化され、世代を超えてファンを増やし続けた。そして2008年にはTVアニメの新作が登場。クールなイマドキの子どもたちに圧倒的支持を得る。いつだってホンモノは、時代を超えるのだ。
そんな「ヤッターマン」が、超ハイパーなエンターテインメント大作として実写映画化されるなんて誰が想像しただろう? ヤッターマン1号・2号はもちろん、お色気たっぷりのドロンジョや、メカの天才で女子高生好きなボヤッキー、怪力自慢のトンズラーというインパクト大なキャラを演じて観客を納得させる俳優が現実の世界にいるはずがない。
しかしヤッターマン1号=櫻井 翔というキャスティングが、不可能が可能になる瞬間を教えてくれた。〈嵐〉のメンバーにしてニュースキャスター・俳優と多才な活躍を見せる彼が衣装をつけた瞬間、ヤッターマン1号として動き出し、新たなヒーロー像を体現する。そんな1号の相棒にしてガールフレンドのヤッターマン2号には『櫻の園−さくらのその−』の福田沙紀。一作ごとにジャンプアップする存在感で2号を演じ、アクションにも体当たりで挑戦した。そして最も気になるのが、ドロンジョを誰が演じるか。健康的なお色気と意外に純な乙女心、そんなアニメとは異なるキャラクターを完璧に作り上げた深田恭子は、女優として新たな領域に足を踏み入れた。ボヤッキーの生瀬勝久はまさにハマリ役。体を張って、凄腕のプロとして笑いを取る。お笑い芸人としてブレーク中のケンドーコバヤシが、トンズラーとして本格的演技に挑んだのも見どころのひとつだ。さらにストーリーの鍵を握る海江田博士役に阿部サダヲ。多面性のあるキャラクターを彼らしい味付けで“怪演”し、期待通りの大暴れを見せる。
豪華多彩なキャストからパワフルな演技を引き出したのは“邦画界の鬼才”こと三池崇史監督。「日本で映画監督をやる限り、『ヤッターマン』を映画化するまでは死ねない!」と言い切る三池監督の本気ぶりは完成した映画を見れば明らか。とにかく驚きの連続なのだ。衣装から美術セットまで“格好よさ”に貫かれたビジュアル、スケール感のあるストーリーと奥行きのある人間ドラマ。これは大人の観客の心にもズバっと切り込む真剣勝負の大作なのだ。泥棒の神様ドクロベエvs.ヤッターマンの死闘、ドクロストーンを巡る白熱の攻防、そしてオリジナルのアニメにはなかったヤッターマン1号を巡る恋――TVサイズには到底収まりきらないスケールだからこそ、映画での実写化の意味はある。
この映画は事件だ。過去に似たような作品はないし、未来にこれを超える映画はそう簡単に現れそうもない。映画『ヤッターマン』、ついに発進!
そんなヤッターマンのキャストの皆様からインタビューが到着!!
○高田ガン(ヤッターマン1号)役 櫻井 翔
――オリジナルのTVアニメは観ていましたか?
「僕が観たのは再放送だったのですが、“ポチっとな”とか“豚もおだてりゃ木に登る”というセリフが記憶に残っていました。今回、オリジナルを観返して、放送中の新しいアニメも観ました。面白かったですね。30年も前にこんなトンがったことをやってたなんて、すごいなあって」
――ガンちゃん役を依頼されたときの感想は?
「“僕がですか!?”って感じでした。自分がヒーローとか正義の味方を演じることがイメージできなかったんですよね。アニメのガンちゃんから離れすぎてもダメだし、でもそのまま真似をしても僕がやる意味がない。大枠は大切にした上で、監督と現場でディスカッションをしながら、僕がやるガンちゃんが作られていった気がします」
――撮影現場の印象は?
「セット美術がすごくて、その力は本当に大きかったです。CGが多いと聞いていたのですが、現場にあるものは120%気合が入っていました。最も印象に残っているのはヤッターワン。まずその大きさに驚いたのと、アニメのキャラより攻撃性を帯びていたというか、すごくソリッドで。それを見て実写版『ヤッターマン』の世界観がイメージできたんです」
――アクションシーンで苦労した部分は?
「一つは、オープンセットで“横回し蹴り空中回転”みたいな動きがあったんです。何回かトライさせてもらってクリアしました。あと、最終日に撮影したワイヤーアクション。走っていって跳び、うつぶせになって、バク宙してジャンプ! みたいな。今回挑んだ中で最も複雑なものでした。ワイヤーアクションは、引っ張ってくださるスタッフとの呼吸も大切なので、そこも難しかったですね」
――以前、「完成したときに新しい櫻井翔が映っていたらいい」とコメントしてましたね。
「僕の中で新しいものが生まれたというより、観てくださった方に“こういう面もあるんだ、面白いな”と思ってもらえるような、新しい一面は映っているかも。それを引き出してくださったのは三池監督です。それを含め、作品をどう観てもらえるかというのはとても楽しみです。ハリウッド映画のヒーローものだと普通の青年が変身して超人になったりするけど、ガンちゃんの場合は変身してもミスっちゃう。その感覚が海外の人にもしっくりくるのかどうかも楽しみ。戦闘シーンのスピード感や変身するときのスケール感はハリウッド映画にも負けないと思います」
○ドロンジョ役 深田恭子
――オリジナルのTVアニメは観ていましたか?
「再放送で観たことがあります。ドロンボー一味が爆発している姿が記憶に残ってますね。ドロンジョ様にはすごくエッチなイメージがあったので、役をいただいたときはビックリしました。“どうしよう、あの格好をしなきゃいけないんだ!”と思って」
――そのメインの衣装を実際につけたときの感想は?
「試作段階からいろいろと試していき、どんどん改良してあのカタチになったので、カッコいいコスチュームになってよかったなって。コスプレ感がなくて質感もいいですよね。ちょっと動きにくいですけど」
――流し目や見下すような目線は、アニメを観てイメージしたのですか?
「そうですね。あとは台本から自分なりにイメージして。アニメと同じように動くのはなかなか難しいですけど、リアルになり過ぎないようにちょっと大げさな動きをしたり、漫画っぽい動きをするようにしました」
――三池監督はどんな演出を?
「私はあまり言われなかったんですよね。自分では、トンズラーとボヤッキーがすごくコミカルだから、ドロンジョはその真ん中でどう立つかだろうなと。でもヒールが高くて、ヨタヨタしそうになりながら一生懸命にじっと立っていました(笑)」
――生瀬勝久さんとケンドーコバヤシさんとの共演の印象は?
「生瀬さんはボヤッキーそのもので、ビックリしました。“ポチっとな”という台詞の言い方や、動きが素晴らしくて、勉強になりました。ケンコバさんは、いるだけでかわいらしい(笑)」
――変装用を含めドロンジョの数ある衣装の中で、特にお気に入りのものは?
「お寿司屋さんの衣装などは楽しかったです。金髪でメガネをかけたお寿司屋さん。アニメでもドロンボー一味のインチキ商売のシーンがあって、それを演じるのが楽しみだったんです」
――実写映画版の魅力をどこに感じますか?
「『ヤッターマン』って、アニメの中で最も実写版を想像しにくい作品だったと思うんです。だって、ヤッターワンが実在しちゃうってすごいじゃないですか! だから実写というだけで観る価値があるなと。“オジプト”のセットなんてものすごい大きさで、さらにCGでスケール感が出ると聞き、自分のお芝居で足りてるのかなって心配したほどです」
○上成愛(ヤッターマン2号)役 福田沙紀
――オリジナルのTVアニメは知っていましたか?
「名場面などをチラっと観たくらいでした。でもアイちゃんをどう演じるかについては、プレッシャーを感じてしまって……。実際に撮影が始まると、役柄を作りこんだという意識はなくて、自分たちがやるからこそのキャラクターを作れたような気がします」
――ガンちゃん役の櫻井さんの印象は?
「お会いする前後で、イメージのギャップを感じることはありませんでした。ヤッターマンの“勝利のポーズ”などもタイミングはバッチリで(笑)。頭で考えるよりまず体を動かしてみて“このほうがしっくりくるね”と話し合ったりしました」
――ワイヤーアクションに初挑戦しましたね。
「はじめに“全部自分でやりたい”とお願いしました。楽しかったですね。最初は“こんなの出来ない!”と思うけど、“自分にも出来るはずだ”と、わあわあ言いながらやってました(笑)。腰を痛めたり、全身が筋肉痛っぽくなったり。衣装をつけてアクションをやるとすごく肩が凝るんです。汗だらだらで、メイク直しも大変でした(笑)」
――三池監督の演出はいかがでしたか?
「すごく面白かったです。現場へ行くと台本とは全然違う撮影が始まるので、“今日はどんな演出だろう?”と毎日楽しみで。絵コンテは漫画を見ているようで、とてもイメージしやすかったですし」
――CGが多いからこその苦労はありましたか?
「瓦礫が落ちてくるカットや爆弾の爆発するカットはグリーンバックで撮影するので、完成した映像がどうなるかは分からないままに演じるわけです。だからいつも、出来上がりはすごい映像なんだろうなあと想像しながら演じていました。地響きがして瓦礫が落ちてくるというカットでは、“これでもか!”という情景をイメージして自分の体を揺らしたりして(笑)。だから演技には、想像力が必要だったんです」
――アニメ版とは異なる実写映画版の魅力をどこに感じていますか?
「実写映画版には人間味があると思います。ヒーローだけどカンペキ過ぎないのがヤッターマンなのかなって。ガンちゃんなんて本当にぬけぬけな子で、“これが本当にヒーロー!?”って感じだし(笑)。でもそれを人間が演じることで、リアルなキャラクターになったんじゃないかと思うんです」
○ボヤッキー役 生瀬勝久
――ボヤッキーとネズミ男を演じるのが夢だったそうですね?
「そうでしたっけ!? でも依頼を受けたときはうれしかったです。声優さんの声のイメージが強い役だから演じるのは大変だと思っていましたが、自分なりのボヤッキーで演じちゃいましたね。このストーリーの中でこの扮装をして、あとはドロンジョ様への気持ちだけで生きている人間ですから」
――共演した深田恭子さんとケンドーコバヤシさんの印象は?
「ケンコバ君は元々トンズラーのイメージにピッタリですよね。ドロンジョ様に深キョンというのは意外でしたが、衣装をつけた姿を見て、アニメのドロンジョ様とは違うカタチで“エクセレント!”という気がしました」
――初の三池監督の現場はいかがでしたか?
「非常に心地いい。本番をとても大切にして一度で決めてくださるので、集中して本番を迎えられるのがうれしいですね。絵コンテが非常に優れていて、表情などは理想像に近いので、ある意味大変でした。涙の落ち方とか夢見る瞳の表情の理想形が分かるので、スタッフさんたちに“絵コンテ通りにやれよ”と思われてるんじゃないかと(笑)」
○トンズラー役 ケンドーコバヤシ
――トンズラー役を依頼されたときの感想は?
「子どものときオリジナルのアニメを観てまして、大好きで。トンズラーをやるために吉本興業の門を叩いたところがありますから、単純にうれしかったです」
――深田さん、生瀬さんとのお芝居はいかがでしたか?
「3人のシーンは事前にやりとりを決め、生瀬さんが合図を出すことが多かったです。“僕がタイミングを出すから、それに合わせてやりましょ”とテキパキやってくれたので、すごくやり易かった。深田さんのドロンジョは横で見ていても面白かったです。ノリノリで」
――本格的に映画に挑戦した感想は?
「普段、お笑いの仕事ではリハーサルがないので、そこが新鮮でした。お芝居はキチンとした仕事やねんなと思って」
――実写映画版の見どころは?
「セットや小道具が細かくつくりこまれていて、ドロンボー一味のアジトなどは目を凝らして観ていただくと面白いものがたくさん見つかると思います。僕に関しては、役作りとしてカルシウムをたっぷりとって歯を大きくしたので(!?)それを見てほしいです」
○海江田博士役 阿部サダヲ
――オリジナルのTVアニメは観ていましたか?
「もちろん観てました。ドロンジョ様に色気があったり、ボヤッキーが“全国の女子高生の皆さん!”と言ったり。子どもながらに、なんか大人っぽいなと感じていました」
――海江田博士役をどう捉えていますか?
「作品の恐怖担当かなという感じがします。役者としてはうれしいですね。なかなかない役ですし、アニメものとかヒーローものに出てくる怖い役って印象に残るじゃないですか。実体の見えない何者かが陰で操作している。それって今のネット社会に通じる怖さなのかな。三池監督には『妖怪大戦争』でも河童とか、なかなか出来ない役を演じさせてもらってますけど(笑)。こんなに豪華なセットだと、もっともっと動き回りたくなりますね」
――この実写映画版をどんな風に観てもらいたいですか?
「リアルタイムでオリジナルのアニメを観ていた大人の方や放送中のアニメを観ている子どもさんが“油断してた!”と引くくらい、子どもがちょっと泣いちゃうくらいの感じが出せたらいいですね。だってあのメイク、自分で見ても怖かったですから(笑)」
○海江田翔子役 岡本杏理
――三池監督の印象は?
「見た目はちょっと怖かったけど(笑)、すごく優しくて面白い方でした。とても丁寧に説明してくださるので、本当に勉強になりました。実際に表情を作って見せて下さったので分かりやすかったです」
――櫻井翔さんと共演した感想は?
「嵐のライブDVDを観させて頂いたんですけど、嵐とヤッターマンのときとでは別人のようでビックリしました。撮影期間中は、スタッフさんのモノマネをして笑わせてくれたりしました(笑)」
――アクションシーンはどうでした?
「元々、運動は好きなんです。両親と兄の影響で小さい頃からバレーボールをやっていて、毎日、授業が終わると体育館にいたくらい。高い所も平気で、ジェットコースターなんて大好き! ただ、それとお芝居でアクションをするのは全然違うんです。相手の俳優さんとタイミングも合わせなくちゃいけないし」
――泣くお芝居も沢山ありましたね。
「そうなんです。でも、お父さんを探しているという設定があったので、感情移入しやすかったです。待ち時間に気持ちを静めて撮影に臨みました」
(C)タツノコプロ・読売テレビ2008 (C)2008 タツノコプロ/ ヤッターマン製作委員会
2008/12/8 アニ★ロコ
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