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【茨城】

助産師16人活用できず 産科休止の県立中央病院 助産所開設検討へ

2008年12月9日

 産科医不足に伴い、助産師の役割が見直される中、笠間市鯉淵の県立中央病院(永井秀雄病院長・五百床)では助産師の資格保持者が十六人いるにもかかわらず、三年前から産科が休止となり、他の診療科で看護師として勤務していることが八日、分かった。病院は今後、数人の産科医確保を前提に、院内助産所の開設を検討する。 (伊東浩一)

 同日の県議会一般質問で、常井洋治県議(自民)に対し、病院側が明らかにした。

 県内では分娩(ぶんべん)施設が十年前に比べて半減し、昨年十一月時点で五十カ所。産科医は約百五十人となっている。

 中央病院でも産科医四人が辞めた影響で、〇四年度末に産科を休止。法律上、正常分娩ならば助産師だけで取り扱うことができるが、県は「危険回避のため、出産は助産師だけでなく、産科医の指導下で行うべきだ」として、お産の受け入れを一切取りやめた。このため、助産師は他の診療科で看護師として働いており、資格を生かすことができない状況が続いているという。

 常井県議が「助産師を活用して、院内助産所を設置する考えはないか」と質問したのに対し、古田直樹病院事業管理者は「一定の産科医を確保した上で、指導の下に院内助産所を開設できる体制を整えたい」と答弁した。

 

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