東京リバイバルミッションでの奉仕の恵み
この大伝道集会は、ある夏に10日連続で、日本武道館を借り切って行われた。
サラリーマンである私にとって、これに奉仕で参加するなどということは、夢のまた夢に匹敵することであった。
私は、FGBMFIというカリスマの超教派の伝道団体に加盟しているが、この団体が、全日本リバイバルミッションの働きに協力していた。
ある日の夕方、仕事の帰りに電車に乗ろうとしたら、私の所属するFGBMFI埼玉支部の支部長とばったり出会った。そのとき彼は、少し元気がない様子であった。話を聞いてみると、何ヶ月か後に行われる東京リバイバルミッションの奉仕者が思うように集まらないのだそうだ。韓国からたくさんの奉仕者が自費で来てくれるというのに、日本の首都東京の教会が一つ心になっていず、奉仕者を出し渋っている傾向があるという。そんな話をしているうちに、ふと私の心に語り掛ける神の声を聞いてしまった。
「それでは、私が10日間の奉仕に参加しましょう。」私の口が突然にそんなことを言い出した。私の心は、「何を言うのだ!」と驚いていた。しかし、私の口は、さらに具体的な話を進めてしまい、ついに奉仕を約束してしまった。「なに、会社の上司には、うまく説明して、OKをもらいますよ。ご心配なく。」そう言ってしまって、自分自身にあきれてしまった。
次の日の午後、私は会社で、日本武道館の写真と東京ミッションの詳細な予定表が印刷されているパンフレットを上司の目の前に広げて、「ここに行くので、10日間会社を休ませてください。」とお願いしていた。上司は、2,3小言を言ったが、結局OKしてくれた。「行くのは勝手だが、それに伴うすべての責任を自分で処理しろよ。また、その後のことも、自分で覚悟を決めてやってくれよ。」と上司。「はーい。ありがとうございました。」と私。
それから、出張等の仕事がこの10日間にぜったいに入らないように、自分でも祈り、出会うクリスチャンに祈ってくれるように頼んだ。家族には、会社から電話が掛かってきても、会場にはつながないように言い聞かせた。「どこかのカルト教団についていってしまった、とでも言っておいてくれ。」と冗談ぽく言った。
ミッションの始まる何十日も前から、武道館前で夜に祈りが奉げられていた。私も会社が終わってから、4度ほど武道館前まで祈りに出向いて行った。神の導きとは不思議なもので、仕事をしている時は、行く気などさらさらないのに、急に思いが武道館に向き、私の足がそちらに向けて歩き出すように思える。いつしか、1時間以上かけて、日本武道館の前に来ていた。祈りには、いつも5〜6人が参加していた。すばらしい体験だった。ミッションの前日は、武道館では舞台装置のセッティング等が行われており、私達は、地下の部屋へ案内された。そこには、たくさんの祈りの戦士が来ていた。彼らは、ミッションが行われている間、地下で継続して祈りをささげる人たちだという。有名な牧師の説教や賛美も聞かずに、ただひたすらこの地下で祈りをささげる人たちだ。その夜は、滝本望師が祈りを導いた。彼が祈り出すと、すぐにその場所をキリストの聖さが包んだのが分かった。私は、その場にいられないほど自分が惨めに思えた。キリストの聖さの前に私は圧倒されていた。20分も祈っただろうか。急に祈りが一段落つき、私たち5人は、外に出されてしまった。これから後は、祈りの戦士だけの時間だという。この体験は、私の心に今も強烈に残っている。その夜、私はクリスチャンが持つことを許される、キリストの聖さという富を思い知らされた。私は、何としてもそれが欲しいと思った。
ミッション当日は、私は10日間、渋谷のオリンピック選手村にとまった。私の他に、5人の若者が一緒の部屋だった。彼らは元気であり、夜遅ミッションの後の路傍伝道から帰ってきて、それからコインランドリーで洗濯をしてから寝るのであった。私は、いつもただ一人、洗面所で洗濯をして、眠りについた。毎日3食、弁当ばかり食べていた勢か、途中で目からヤニが出て、目が開いていられなくなったこともあった。また、背中に疲れが集中してきて、痛んだ。私は、会場係りをやらせてもらい、殆ど1日中立っていることが多かった。途中から、会場係りの一つのグループのリーダをもやらせてもらった。リーダは、他のメンバーのスケジューリングが大変だった。それでも、無事10日間の奉仕は終了した。もう、こんな無鉄砲なことは、考えものだと思った。
10日の後、会社に復帰した。朝、出社するとまず、私の机がまだあるかどうか確認した。なんとそれは、まだあった。驚いたことには、それは、昨日まで私がそこにいたとしか思えない様相であった。だれも私がミッションに行っていたことに気づかなかったようにも思われた。私は、昨日まで会社に来ていたかのように、すぐに仕事に復帰できた。まったく、何事もなかったようだった。まるで、私が夢を見ていたようだった。もしかしたら、神が天使を遣わして、私が会社を休んでいる間中、私のイスに座らされたのかもしれないとも思った。
神は、不思議なことをなされる。もし、私たちが、自分を最初から制限することがなく、キリストを制限することも無いならば、私たちは、この地上でどんなことでもできるのだろう。
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