確かに大麻は,脳細胞を死なせるだとか,そういう毒性のあるものではないだろう。 体の諸器官にも大した害をおよぼさないかもしれない。 だからといって, “副作用が無い” などと考えるのは具の骨頂だ。
大麻は脳の報酬経路に確実に作用する。 報酬系は “快感” とか “達成感” を作り出す部分だ。 大麻などはそこに作用して,何もしてないのに快感を作り出してしまう。
頻繁に使用すればその応答性まで変えてしまうだろう。 わかりやすい言葉で言えば, 物事に対して “反応の鈍い” “感度の低い脳” に変えてしまう。
せっかく勉強して努力して,自分のアタマを斬れる頭脳に育てあげて,いい大学に入ったのというのに,それを大麻なんぞやって腑抜けた脳味噌につくり変えてどうするよ?
たしかに今の若者は,達成感というものに飢えているのかもしれない。
勉強して,苦労して,やっといい大学に入った,という気分と同じくらい強い達成感は,なかなか得られないでしょうから,それで何かしら報酬系を刺激するアソビをやりたくなるのではないかと思う。 スポーツなどなら健康的いいのだけど,それがゲームであったり,酒であったり,薬物であったりするんだろう。
ゲームなんてくだらない。 バーチャルな世界なんていうけれど,あんなのゲーム会社の社員が想像して作り出したチンケな世界だってことに早く気づいて欲しい。
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2008年11月 9日 (日)
大麻は立派な麻薬
日本で大麻所持で捕まる人が,年々増えているように思う。 手軽でそこそこ面白いから罪悪感が希薄なのだろう。
また, 『大麻は麻薬じゃないし,体に害は無いからOKだ♪』 みたいなデタラメを豪傑ぶって吹聴しているブロガーなんかもチラホラいたりする。
大麻は立派な麻薬だ。 麻薬が禁止されているのはべつに人体に対して毒性があるからではない。 それが脳の報酬経路に作用して高揚感を与える薬物であるからであり,そういうものには必ず常習性があり人間をダメにするものだからだ。
快感をもたらし常習性を生じる薬物というのは麻薬だけでなくアルコールやニコチンもそうだが,いずれも脳の報酬経路に効く。 効くというのは,つまり脳の報酬経路で放出される神経伝達物質ドーパミンの濃度を何らかのかたちで高める,という意味だ。
コカインやアンフェタミンは,一旦放出されたドーパミンの除去を阻害して,ドーパミンを脳内に長く残留させるはたらきがあるし,一方,ニコチンは偽のアセ
チルコリンとしてドーパミン作動性ニューロンを興奮させ,より多くのドーパミンを放出させる。 また,ヘロインやモルヒネなんかはGABAによる抑制性入
力を抑えることによってドーパミン作動性ニューロンを興奮させ,これもドーパミンの放出を促進する。
大麻の主成分であるテトラハイドロカナビノールは,神経修飾物質であるエンドカナビノイドと似た構造をもっており,脳内でそのニセモノとしてはた
らく。 報酬経路においてはテトラハイドロカナビノールはGABA作動性ニューロンの活動を抑制し,ドーパミン作動性ニューロンを異常に興奮させる。 そ
の結果ドーパミンの放出量が上昇して,脳はそれを快感と認識する。 これが大麻の作用だ。 GABA作動性ニューロンに効くという点において,大麻の作用
はヘロインやモルヒネと似ている。 脳が快感と認識した行動や刺激は,何度もくり返そうとする。 これがいわゆる強化学習と呼ばれるものであり,つまり麻
薬がもつ常習性のことだ。
報酬経路というのは人間が何かを成し遂げたときの達成感だとか,性交渉,そして男女や親子の愛情の成立において重要な役割をもつ。 私は報酬経路
こそが人間を人間たらしめる脳の一番神聖な領域だと思っている。 エンドカナビノイドのニセモノを経口摂取することで,愛情でもなく,達成感でもなく,ただ単に快感を得ることを目的に脳の報酬経路を人為的に刺激し,それを活性化させる行為というのは,これは人間をダメにするものだと思っている。 まして,そんなな安っぽい非建設的な快感を得ることを正当化しよう,などと真面目に考えること自体,何の生産性も無いバカな人間を増やすだけであり,そういう行為こそが人類を退行させてゆくものだと思っている。
何もせずに快感を得ようなどというのはムシが良すぎるし,そういうのは後でしっぺ返しがくるに決まってる。
べつに麻薬に頼らなくても高揚感ぐらい得ようと思えば得られるし,リラックスだって出来る。
交尾しろ,交尾。
想像力の欠如 大麻で転落“高偏差値大学生”の末路
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081116-00000508-san-soci