2008年12月 7日 (日)

パッキャオがデラホーヤを下した!

 久々にフィリピンから国民英雄的なボクサーが出てきた。
 マニー・パッキャオ (Manny Pacquiao) という,サウスポーのハードパンチャーだ。

 アジア出身の強打の選手といえばタイのカオサイ・ギャラクシーがいたが,カオサイと比べるとパッキャオは一見素人くさいような感じのボクシングで,なんだかみていて危なっかしい。 相手のパンチも結構もらうほうだ。 でも強い。
 こういう選手の試合というのは,観ていて実に楽しい。
 要するに見た目はヘタッピだけど,スピードがあって,タフ。 パンチをもらうわりにマスクは決して悪くない。 
 こういう選手には女性ファンも多いのではなかろうか。

 そのパッキャオが,あの伝説的なボクサー,オスカー・デ・ラ・ホーヤを下したという。
 8Rで,デラホーヤが戦意喪失でTKOになったそうだ。

 Pacquiao makes De La Hoya quit after eight

 パッキャオは体重が乗っていないような小さな左の真っ直ぐが,実にいいタイミングで出る選手だ。
 そして勝負どころで小さなパンチが連打で出せる。 こういう選手というのは強い。
 ただ,パッキャオは,いくらタフとはいえ,結構いいパンチをもらう方だし,なんだか危なっかしいところがある。
 どれだけ防衛できるかは疑問だ。

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2008年12月 2日 (火)

オバマ氏から留守電が来ていた

 明日はジョージア州の上院議員選挙の投票日だ。
 上院は民主の方が多く議席をとっているので,共和党は必死でキャンペーンを行っている。

 今日はオーガスタにペイリンさんがきて,スピーチしていた。
 まるでとってつけたような内容のスピーチで,いまにも州の名前を間違えて言うんじゃないかと思うほどだった。

 Palin urges Ga. voters to back Chambliss in runoff

 家に帰ると,知らない番号からの留守電が入っていた。
 なんか聞いたことのある声だなと思ったら,なんとあのオバマ氏からの留守電だった。

 『明日の選挙には民主党のジム・マーチンに入れてくれ。 彼ならば,カクカクシカジカ・・・』 

 選挙前日とかに候補者から留守電メッセージがくることがあるという話は,うわさには聞いていた。
 もちろん録音された音声なのだろうけど,実際にくるとなんだか嬉しい。

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2008年12月 1日 (月)

WALL・E/ウォーリー  (2008) 

 WALL-E のDVDが発売されていたので,思わず買っちゃった。 

 WALL·E (2008) 

 人間がどんどんバカになっていくという映画 Ideocracy をソウフツさせる話だが,それだけではない。
 Ideocracy との大きな違いは,地球上に人間が一人もいないことだ。 人類はべつに滅亡したのでもなんでもなく,地球を散らかすだけ散らかした挙句,ゴミの始末をロボット達に任せて宇宙のどこかへ行ってしまったという。 この人間の無責任さが,いかにも現実味があって面白かった。

 その地球上に残された清掃ロボットの WALL・ が,宇宙の彼方からやって来た最新鋭の植物探査ロボット EVE と恋におちる,という話。 とくにこれといって斬新な話でもないのだけれど,なぜかあちこちでホロリときてしまう映画だった。 それは何といってもやはり EVE の声によるところが大きいと思う。 彼女が初めて電子音声で 『ウフフ♪』 と,くすぐったげに笑うシーンだとか,悪いやつにWALL・Eが壊されそうになって初めて取り乱し, 『ノォ~!!!』 と眼をまん丸にして叫ぶシーンとか。 あるいはロボット同士の甘酸っぱすぎるキスシーンなど,もう私は泣き笑い。 壊れてしまったWALL・Eを治そうと必死の EVE の姿なども,私はもうウルウルしっぱなし。
 こういうの,ダメ。 反則。

 アニメ部門で確実にオスカーを獲るんだろうけど,私としては作品賞でも一番をあげたいくらいだ。

 <最初のWALL・E感想文>

 

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2008年11月29日 (土)

大麻によって無気力で愛情の乏しい人が増えるだろう

 私は大麻の作用について再三にわたって書いてきた。

 大麻は立派な麻薬

 大麻は脳をダメにします

 大麻の作用する主な部位が,脳の 『報酬経路』 という部分であり,ここは人が物事に対して希望を抱いたり,目標に向かって努力する意欲を作り出したり,あるいは男女の愛情や夫婦の絆をつくりだす上でとても重要な部位であることにも触れた。
 そして大麻を服用することで報酬系の応答性はどんどん鈍っていくであろうし,そうなれば愛情の無い,無気力な人間が増えてゆくことになるだろう。

 『外国では大麻が合法な国だってあるじゃないか』 という,いかにもアタマの悪そうな論理を展開する人もわりと大勢いる。
 そういう国々では,大麻の生理作用に関する神経生理学的な認識がまだ浅いうちに許可していたわけであり,今となっては明らかに間違った判断だと思う。 そもそも自分で勉強もせず物事の判断すら自分でしようとせずに, 『アチラの先進国ではOKと言ってるんだから,大丈夫なんだ』 なんていうこと自体がまったくの愚の骨頂であり,民度の低さを露呈しているだけの,極めて恥ずべき発想だ。
 そういう思考力のスタミナの無さも,大麻の服用によって助長されるもののひとつに加えていいと思う。

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 「たばこより害がない」? 大麻、精神・生殖機能に影響
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081129-00000518-san-soci

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ずるい小沢氏民主党

 私は,以前,オバマ氏が当選すれば日本の国会は即解散して今年中に民主党に政権を譲ることになる,と今月の初め書いた。 また,11月以降に小沢氏の発言の重みがぐっと増してくるだろう,と別な場所にも書いた。 前者の予想は外れそうだけど,後者に関してはそのとおりになってきた。

 つい昨日だかにあったという党首討論を見させてもらった。 
 アメリカ大統領選挙にずっと注目してきた後で,日本の政治討論を聴くと,そのあまりの内容の希薄さと答弁のレベルの低さにうんざりしてしまう。
 今回も長々と討論したかのようでいて,結局,両者が交代交代で言ったことというのは,まるで台本どおりのような,わかりきった内容でしかなかった。
 これは討論ではなく,ただの問答パフォーマンスである。

 

小沢: 補正予算案を早急に提出しろ。

麻生: 二次補正案は状況をみきわめた上で,年度末に照準をあてている。

小沢: 二次補正案提出を渋っているのはおかしい。

麻生: 金融機能強化法が通ってからでないと,二次補正案は作れない。

小沢: 金融機能強化法に関しては賛成できない。 とにかく二次補正案を早く出せ。

麻生: 二次補正は金融機能強化法と連動しなくてはならない。

小沢: 二次補正が出せないなら,選挙して国民の審判を仰ごう。

麻生: この経済危機に,政治空白は作れない。

小沢: 二次補正を遅らせることこそ空白だ。

麻生: 二次補正のための関連法案を民主が抑えてしまっているではないか。

 結局のところ水掛け論にすぎない。

 金融機能強化法の何に問題があるのか私はあまり詳しくないが,要するに民主党はその法案を抑えて二次補正案を提出できないようにしつつ 『早く出せ』 などと言っている。 そして,それを実行できないのをわかった上で, 『それができぬなら即解散だ』 と言っているようなものだ。 これではあまりにずるい。

 麻生氏も,相手の急所である論理の核心に決して突っ込もうとせず,持論を述べるだけ。 『強気の小沢氏』 というのを演出しただけの,まったくの問答ショーだった。 近い将来,民主主導に切り替えようという申し合わせでもあるんじゃなかろうか。 

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 党首討論 年内解散を首相が拒否
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081128-00000021-maip-pol

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2008年11月24日 (月)

メジャー行くくらいなら野球辞めると言った男

 WBCに当然出る気でいるという,ダルビッシュ投手。
 日本の野球を背負って立つ男というのは,こういう選手のことを言う。
 こういう “燃える男” がまだ日本にいると思うだけで嬉しくなる。

 野球の世界祭典に出ないという選手が何人もいるらしい。 ペナントのことが心配だからか,あるいは監督への気兼ねだか知らないけど。 まるで高校球児が,甲子園に行けなかった先輩に気兼ねして,あるいは自校内での紅白戦レギュラー獲得のことが心配で,甲子園出場を辞退すると言っているようなもんだ。
 そういう選手たちは,一体何のために野球をやってきたのか,じっくり考えた方がいいと思う。

 どんな世界でもそうだけど指導者と呼ばれる人達の中には,自分のいる世界を明るく盛り上げてゆくような人達もいれば,暗く陰湿で窮屈なものにしてゆく人達もいる。 野球界でいえば,長嶋や王氏,仰木氏のような人達がいれば,野村氏や落合氏のような人達もいるということだ。
 野村克也氏とか,落合博満氏など,選手としても監督としても優れているのだろうけど,言う事はいつもなんだか暗い。 達観したような雰囲気でもってボソボソっと語る中に痛烈な皮肉が込められていたりする様は,正論であって玄人好みなのかもしれないが,結局は大風呂敷を広げられぬ職人の論でしかない。 自分に課せられた仕事のことしか眼に入らず,そこに閉じこもりたがる。 そして暗黙の了解みたいなもので満あふれた実に窮屈な空気をつくる。 そして誰もそれに抗えない。 

 たとえば, 「お前,WBC,出るの? 出たいのか?」 という一言にしても,長嶋監督や仰木監督が言うのと,野村監督や落合監督が言うのとで全然意味合いも雰囲気も違うだろう。 スポーツは明るく爽やかでなくてはならないと思う。 いくら技能が向上したところで,陰湿な空気がよどんだような安定志向のプロ・スポーツなんて,誰も見やしない。

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 ダル WBCへ日の丸魂「断る理由はない」
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081123-00000003-spn-spo

 落合節さく裂40分猛反論!WBC中日ボイコット否定
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081122-00000293-sph-base

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2008年11月22日 (土)

ちっとも男らしくねえヤキュー選手

 まるで申し合わせたかのようにWBC参加を辞退した中日の選手達は,プロの野球人としての自覚があるんだろうか。
 そんなみみっちい性根をさらけだして,日本の野球が楽しくなると思っているんだろうか,中日の人間は。
 まったく器が小さい。
 野球よりも,ムラのオキテの方が大事か?

 原ジャパン構想崩壊!中日勢WBC出ない
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081122-00000004-sanspo-base

 プロフェッショナルのスポーツ選手なのであれば,自分を能力を高めることだけを考え,大舞台でその能力を遺憾なく発揮することだけに専念すべきだ。
 野球技能とは無関係の全くどうでもいいことで選手の去就が左右させられるようになった時点で,プロフェッショナルなスポーツというものはどんどんクォリティーが低下してゆく。 まるで腐ったバナナのようなぐちゃぐちゃした感情でもって選手の去就を決めたり,決めさせられたりするような日本の野球なんて,今に誰も見なくなってしまうだろう。 爽やかでないものに人は魅力など感じない。

 星野仙一氏はたしかに “燃える男” だったけど,今の日本のプロ野球界に “燃える男” と呼べるような男が,一体どれほどいるのだろう。
 申し合わせたかのように辞退するような “群れた男 どもの中には, “燃える男” など絶対に存在しえない。 メジャー・リーグの方がはるかに “燃える男” の世界だ。
 一流選手が日本のプロ野球界を去ってメジャーへ行きたがる気分が,なんだかよくわかったような気がする。

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 原WBC非常事態、中日全選手が辞退
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081122-00000028-nks-base

 

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2008年11月21日 (金)

環境審査撤廃絶対反対

 ナチス・ドイツがやった大量虐殺で,最初に犠牲になったのは自国内の精神病院の患者達だったということは意外に知られていない。
 民族浄化のために役に立たない弱者を切り捨ててゆこう,という発想だ。 これほど単純でわかりやすい論理はなく,これほど忌むべき論理も無い。

 開発事業の環境審査撤廃へ=ブッシュ政権、末期に駆け込み-米
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081121-00000116-jij-int

 一方,現代のブッシュ政権は,自堕落なアメリカ人達の大量消費飽食生活を何が何でも継続させたいがために,野生動物なんかに構うことなく自然破壊してよいと考えているようだ。

 馬鹿が。
 これしか言葉が出てこない。

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2008年11月17日 (月)

大麻は脳をダメにします

 

 確かに大麻は,脳細胞を死なせるだとか,そういう毒性のあるものではないだろう。 体の諸器官にも大した害をおよぼさないかもしれない。 だからといって, “副作用が無い” などと考えるのは具の骨頂だ。 
 大麻は脳の報酬経路に確実に作用する。 報酬系は “快感” とか “達成感” を作り出す部分だ。 大麻などはそこに作用して,何もしてないのに快感を作り出してしまう。
 頻繁に使用すればその応答性まで変えてしまうだろう。 わかりやすい言葉で言えば, 物事に対して “反応の鈍い” “感度の低い脳” に変えてしまう。
 せっかく勉強して努力して,自分のアタマを斬れる頭脳に育てあげて,いい大学に入ったのというのに,それを大麻なんぞやって腑抜けた脳味噌につくり変えてどうするよ?

 たしかに今の若者は,達成感というものに飢えているのかもしれない。
 勉強して,苦労して,やっといい大学に入った,という気分と同じくらい強い達成感は,なかなか得られないでしょうから,それで何かしら報酬系を刺激するアソビをやりたくなるのではないかと思う。 スポーツなどなら健康的いいのだけど,それがゲームであったり,酒であったり,薬物であったりするんだろう。
 ゲームなんてくだらない。 バーチャルな世界なんていうけれど,あんなのゲーム会社の社員が想像して作り出したチンケな世界だってことに早く気づいて欲しい。

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2008年11月 9日 (日)

大麻は立派な麻薬

 日本で大麻所持で捕まる人が,年々増えているように思う。 手軽でそこそこ面白いから罪悪感が希薄なのだろう。
 また, 『大麻は麻薬じゃないし,体に害は無いからOKだ♪』 みたいなデタラメを豪傑ぶって吹聴しているブロガーなんかもチラホラいたりする。
 大麻は立派な麻薬だ。 麻薬が禁止されているのはべつに人体に対して毒性があるからではない。 それが脳の報酬経路に作用して高揚感を与える薬物であるからであり,そういうものには必ず常習性があり人間をダメにするものだからだ。

 快感をもたらし常習性を生じる薬物というのは麻薬だけでなくアルコールやニコチンもそうだが,いずれも脳の報酬経路に効く。 効くというのは,つまり脳の報酬経路で放出される神経伝達物質ドーパミンの濃度を何らかのかたちで高める,という意味だ。
  コカインやアンフェタミンは,一旦放出されたドーパミンの除去を阻害して,ドーパミンを脳内に長く残留させるはたらきがあるし,一方,ニコチンは偽のアセ チルコリンとしてドーパミン作動性ニューロンを興奮させ,より多くのドーパミンを放出させる。 また,ヘロインやモルヒネなんかはGABAによる抑制性入 力を抑えることによってドーパミン作動性ニューロンを興奮させ,これもドーパミンの放出を促進する。

 大麻の主成分であるテトラハイドロカナビノールは,神経修飾物質であるエンドカナビノイドと似た構造をもっており,脳内でそのニセモノとしてはた らく。 報酬経路においてはテトラハイドロカナビノールはGABA作動性ニューロンの活動を抑制し,ドーパミン作動性ニューロンを異常に興奮させる。 そ の結果ドーパミンの放出量が上昇して,脳はそれを快感と認識する。 これが大麻の作用だ。 GABA作動性ニューロンに効くという点において,大麻の作用 はヘロインやモルヒネと似ている。 脳が快感と認識した行動や刺激は,何度もくり返そうとする。 これがいわゆる強化学習と呼ばれるものであり,つまり麻 薬がもつ常習性のことだ。

 報酬経路というのは人間が何かを成し遂げたときの達成感だとか,性交渉,そして男女や親子の愛情の成立において重要な役割をもつ。 私は報酬経路 こそが人間を人間たらしめる脳の一番神聖な領域だと思っている。 エンドカナビノイドのニセモノを経口摂取することで,愛情でもなく,達成感でもなく,ただ単に快感を得ることを目的に脳の報酬経路を人為的に刺激し,それを活性化させる行為というのは,これは人間をダメにするものだと思っている。 まして,そんなな安っぽい非建設的な快感を得ることを正当化しよう,などと真面目に考えること自体,何の生産性も無いバカな人間を増やすだけであり,そういう行為こそが人類を退行させてゆくものだと思っている。

 

 何もせずに快感を得ようなどというのはムシが良すぎるし,そういうのは後でしっぺ返しがくるに決まってる。
 べつに麻薬に頼らなくても高揚感ぐらい得ようと思えば得られるし,リラックスだって出来る。
 交尾しろ,交尾。

 


 

 想像力の欠如 大麻で転落“高偏差値大学生”の末路
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081116-00000508-san-soci

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2008年11月15日 (土)

ヒラリーさんが帰ってくる! そしてマケイン氏も!?

 かつてライバルだったあのヒラリーさんとリチャードソン氏が国務長官の有力候補なのだそうだ。
 ヒラリーびいきの私にしてみれば,彼女が政界の最前列に帰ってくるというのは,なんだかすごく嬉しい。

 Obama weighs Clinton, Richardson as sec. of state

 しかも来週のはじめには,オバマ氏はあのジョン・マケイン氏とも会うのだそうだ。
 一体何の話をするのかわからないが,重要ポストにマケイン氏も起用したいとオバマ氏も考えているかのようだ。 そうでなくてはこんな時期にわざわざ会って話などしないだろう。 
 もしそうなったら,まるでオールスターみたいで,本当にすごい,と単純に思ってしまう。
 おそらくマケイン氏には,イラクからの早期撤退について率直な意見を請うのではなかろうか。 戦争処理やら軍事外交においてマケイン氏の右に出る人はいないだろう。 また,マケイン氏はフィリップ・ボビット (Philip Bobbit) 氏の名著 『Terror and Consent』 を愛読していることで有名であり,対テロ戦争に関して独自の観点を持っていることで知られる。 16ヶ月という期限つきのイラクからの撤退というオバマ氏の公約に対して,マケイン氏は激しく反発していたけれど,戦争というものの本質を考えた場合,マケイン氏の言っていたことの方がはるかに正論なのかもしれない。 それをなんとかしてアメリカに有利になるように丸く収められる大物というのもまたマケイン氏の他にいないように思う。

 ただ,大統領を補佐する役職なのだから他にも有能な人物はたくさんいると思うのだけど。 かつてライバルだった大人物たちをオバマ氏はひとつにまとめて統御できるだろうか,という不安もある。 それでも,上手くいけば史上最強のドリーム・チーム政権になるんじゃなかろうかという期待感は膨らむし,アメリカの政治は否応なしに盛り上がるだろう。

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 オバマ氏、クリントン氏と会談、国務長官就任を打診と
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081115-00000010-cnn-int

 

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2008年11月14日 (金)

オバマ氏のいないサミットで息巻いたって無駄無駄

 今回のサミットは,オバマ氏も一応招待されたらしいけど,参加を辞退したとのこと。
 そりゃそうだろう。 これはブッシュ氏が主導した会合だ。  こないだミーティングして,引継ぎを円滑にするように合意しあったとはいえ,オバマ氏とブッシュ氏がの政策のほとんどが真っ向から対立していることに変 りは無い。 オバマ氏が参加を辞退したのは当然だと思う。
 オバマ氏が参加していない会合に,具体的な意義というものはあんまり無い。 せいぜいブッシュ氏の最後の顔合わせの場程度なもので,国際経済危機だけどこれからも仲良くしていきましょう,程度の結論で終いだろう。 そういう点では,洞爺湖サミットと同様かもしれない。

 日本ではあんなに傲慢でエラそうにしていた麻生氏の顔が,世界のリーダーを前にしてどれだけおべんちゃら顔に豹変するか見モノではある。 麻生氏にしてみれば初舞台であり,自分を世界に売り込む格好のチャンスだと思っているようだ。 売り込んでどうするというのだろう。 政治家としてのレベルの低さを露呈して日本国民だけでなく海外からも小馬鹿にされることにならぬよう祈りたい。

 <麻生首相>米紙WSJに論文寄稿 日本の存在感発揮に懸命
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081114-00000082-mai-pol

 べつにこれは麻生氏が言った言葉じゃないだろうけど, 『日本の存在感』 などという言葉を思いつくことだけ既にイナカ者臭くて馬鹿馬鹿しいし,それだけで日本の民度の低さが伺えてしまう。 どこの新聞かとおもったら毎日新聞だった。 毎日新聞が麻生内閣に対してどういう見解をもっているのか知らないが,自分の国にひとつの人格のようなものを与えて,世界の第一線での活躍への期待感,あるいはそういう発想が根底にあることを示したものだ。 じつにくだらない。
 政治とか国家というのはそこに住む人々のためにあるものであって,国の人格みたいなものをつくり育て上げ,それを海外に誇らしげにひけらかすためのものではない。 国家なんて存在しているかいないかわからないような透明でスケスケな存在であるべきだと思う。 ひとつの国を外から眺めたとき,国家というフィルターが邪魔して,そこに住んでいる人々の実像が見えにくいような国は,それはダメな国だ。

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2008年11月13日 (木)

自分よりもアタマのわるい指導者がいる国

 世界の中でも日本人ほど,自他のアタマの優劣を気にする国民はいないのではなかろうか。
 大学受験で皆あんなに燃えるのは,大学で何を学びたいかとか将来の職業のことなどよりも,むしろ,自分の頭脳が日本全国の中でどれだけ優秀であるかを試される機会だから,というのも大きいと思う。 だから大してアタマのよくない人々までが予備校なんぞに通ってまでして一時的に猛勉強する。 そして,めでたく優秀であるというレッテルがもらえれば,そのプライドは一生モノだったりする。 日本とはそういう国だ。

 そういう国において, 『国の指導者たる者が自分よりも愚劣な頭脳をもっている』 と,人々が気づいてしまった場合,これは大変な問題ではなかろうか。
 アメリカでそうだった。 ブッシュ氏の答弁の内容は高校生レベルだ,という発言をよく耳にしたし,指導者たる人物は,せめて自分よりもアタマが良くなくては,という気分は全米を覆っていたように思う。 4年前の選挙でアメリカが真っ二つになったときは,知的水準がブッシュ氏以下の州とブッシュ氏以上の州に分かれた,という話もあったくらいだ。

 そんなに素晴らしく頭脳が明晰優秀でなくとも,凡人にはとても及びつかない気宇壮大な大人物であったり,あるいは明朗でカリスマ性のある人格者であったりすれば,細かい知識やら事務能力が多少欠落していても,人々はついてゆけるだろう。
 だけど気宇も人格もさほどでなく,というよりやや問題アリで,さらに知識も知力も国民の大多数より劣っているような人物がいて,そういう人が指導者になってしまった場合,これはかなり深刻な国家の危機なのではなかろうか。

 大多数の国民に小馬鹿にされる指導者を擁いてしまうなんて, これほどの悲劇は他に無いように思う。

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 <麻生首相>漢字は苦手? 頻繁に読み間違い
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081113-00000001-maiall-pol

 

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オバマ氏が示したインターネットによる新しい選挙形態

 戦争では,新兵器をより多く導入した方が必ず勝つ,という定説があるけれど,選挙では新時代の通信媒体を味方にした方が必ず勝つようだ。
 フランクリン・ルーズベルト大統領,ケネディー大統領は,それぞれラジオテレビジョンを活用したことで知られる。 そしてオバマ氏は “インターネット” という新媒体を大いに活用した。 

 オバマ氏が勝った最大の要因はオバマ陣営のズバ抜けた集金力であり,このことはネットを最大限に利用したことと切っても切れない関係にある。 寄付金もそのほとんどがネットを介した寄付金によるものだからだ。 メールすらあまり使ったことのないマケイン候補とは対照的であり,まさにこの違いが勝敗を決めたひとつの大きな要因だったようだ。

 複数チャネルを独占したコマーシャルやら政見放送など,カネにものを言わせた選挙運動に対して,マケイン氏は常に批判的だったけれど,結局,より多くの人が集まり,より多くのカネが集まる方が勝つのは明白なことだ。 
 インターネットという両方通行のメディアでは,誰でも政治に参加できるともいえる。 新時代の媒体を味方にしたオバマ氏のやり方は,政治というものの新しい形態を示したものだともいえる。

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 <米国>オバマ氏、国務・国防・財務3省担当の責任者を指名
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081113-00000023-mai-int

 

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2008年11月12日 (水)

鼻づまり時にみられる感覚野応答の短期的可塑性

 J. Neuroscience は,発刊して以来ずっと質の高さを保っている,いい雑誌だと思う。  J. Neurophysiology の方が由緒あって古いのだけど,こちらはなんだか玉石混交になってしまっている。 できれば J. Neurosci に出したいし,そこでリジェクトされたとき,J. Neurophysiol に出すことを考える。 J. Neurosci を狙った論文なら,J. Neurophysiol に出せば大概通る。

 さて,東大医学部の森研究室が面白い論文を発表していた。
 感覚性入力に対する大脳皮質の応答が,その入力の強弱に応じて柔軟に変化し,左右差が補われるという話らしい。

 片鼻詰まると脳も対応=におい知覚領域、すぐに切り替え-東大
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081112-00000029-jij-soci

 題材が鼻づまりであることから,我々人間にも身近に感じられて面白い話だ。
 片方の鼻が詰まったとき,詰まった方の鼻腔粘膜から脳へと送られるシグナルが急に弱まるかするのだろうけれど,そういう時は反対側からの入力に対する感受性がアップするかして補われるものらしい。

 このように脳機能というのはガチガチに固定されたものでなく,いろんな状況に応じて感度を変えて柔軟に対応するし,また常に機能をバックアップするようなはたらきを備えている。 脳がもつ柔軟性のうち,長期的に変化するものは 『記憶』 とか 『学習』 といった役割を担うと考えられているし, 一方,感覚情報の処理や,複雑な運動パタンを作り出すときも神経回路のはたらきは外界環境や身体状況に応じて柔軟に変化している。 脳機能の長期的および短期的な柔軟性,あるいは可塑性こそが,脳を理解する上での重要な鍵となるようだ。 

 この論文では,おそらく感覚入力に対する応答の大きさをイメージング技術で可視化して測定しているのだろうと思う。 あるいは嗅覚入力に対する皮質ニューロンの感度や応答の変化が具体的にどういうメカニズムで生ずるのか,というところまで考察しているかもしれない。 だとしたら,おそらく抑制性のGABA作動性介在ニューロンのはたらきが関与しているという話か,あるいは神経修飾物質が関与しているのではないだろうかと想像する。

Compensatory Rapid Switching of Binasal Inputs in the Olfactory Cortex
Shu Kikuta, Hideki Kashiwadani, and Kensaku Mori

 筆者はまだ若い院生の方らしい。 今週末から始まるニューロサイエンス学会に行かれるのだろうか。
 今後の活躍に期待したい。

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アトランタでの射殺事件

 ついさっき職場の近くでちょっとした事件があり,一人の男が射殺された。
 男は市電地下鉄 (MARTA) の駅だかで,ナイフでもって駅にいた人を恐喝だかしていたらしい。
 数人の警官がその男を追跡して,ダウンタウンの中心にある小さな公園に追い込み,ひと悶着あった末に射殺したんだそうな。 七発の銃声が轟いたという。 男は即死。

 MARTA Officer Stabbed, Suspect Shot

 恐喝というのも恐ろしいけど,たかがナイフ一本を持った男ごときに弾丸を七発も撃ちこむ必要があるんだろうか。
 せっかくケンカ十段の男がここにいるというのに。

 アトランタの駅には,いつも犬を連れた警官が何人もいる。 警察犬は,とても訓練を受けたようには見えない。 いつも寝そべって自分の陰茎を舐めていたり,退屈そうに大あくびしたりしている。 どれも雑種みたいで,近寄って頭でも撫でてやりたくなるようなボケ犬ばっかりだ。 

 全米のどこの街もそうだと思うけど,アトランタのダウンタウンもここのところやたらと警察官が多い。 なんとなく心強い気もするけれど,警官達の訓練度もこの犬達と同レベルなんじゃないかと私は睨んでいる。 アトランタ市警がもっている拳銃は弾数重視の軽量なオートマチックであり,それだけでも警官の訓練度がさほど高いものでない様子が伺える。 ナイフ持った男に数人で七発も撃ちこむなんて,その現われだろう。 たぶん,反抗する犯人にビビったんじゃなかろうか。
 私は事件を目の当たりにしたわけじゃないけれど,そういうズブのド素人みたいな警官だったとしたら,ナイフもった強盗なんかよりもそっちの方がよっぽど恐ろしいと思った。

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«あのサーキット・シティーがつぶれるなんて