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FX商戦 F22の禁輸でユーロファイターが攻勢 (1/2ページ)
【プレストン(英イングランド北西部)=木村正人)】航空自衛隊の次期主力戦闘機(FX)をめぐり、英防衛航空大手BAEシステムズが欧州製戦闘機ユーロファイターの売り込み攻勢をかけている。有力候補の米最新鋭ステルス戦闘機F22について米議会が保秘を理由に禁輸措置を継続。防衛省は来年夏に機種を選定する予定だが、中国が禁輸継続を求めて米国でロビー活動を行うなど激烈な綱引きが行われている。
防衛省は2005〜09年の中期防衛力整備計画で、老朽化した戦闘機に代わるFX7機の調達を計画、空戦でずば抜けた性能を持つF22を念頭に今年夏に機種を決める予定だった。しかし機密漏出を恐れる米議会が禁輸措置を解除しなかったため、期限を1年間先送りしてF22の輸出解禁に望みをつないだ。
しかし、英軍事情報会社ジェーン傘下の米ドキュメンタル・ソリューションズの防衛航空産業担当、マーク・ボビー氏は、「中国は米国の日本や台湾への武器輸出に神経をとがらせており、F22輸出をめぐる日米対話に公式に不快感を示した。今後、米ワシントンの親中派がロビー活動を強化するはずで、F22の禁輸措置が解除される見通しは50%未満だ」と分析する。
そこで急浮上したのが、英・独・伊・スペインの4カ国が共同開発したユーロファイターだ。空戦能力ではF22に次ぎ、爆撃能力にも優れている。今年に入り空自関係者が再三、訪英し、南部ファンボローの国際航空ショーでユーロファイターに試乗するなど、関心を示している。