2008/12/05(金)
新党日本代表 田中康夫は、DNA鑑定と扶養義務の明記無き、稀代の欠陥「国籍法」改悪に、参議院本会議で反対票を投じました。
新党日本代表 参議院議員 田中康夫
至らなさを改むるに如くは無し。転ばぬ先の杖。
この問題は、右も左も関係有りません。イデオロギーを超えた、人間の問題、日本の問題なのです。
12月5日(金)の参議院本会議で私 田中康夫は、「国籍法の一部を改正する法律案」に反対票を投じました。
DNA鑑定制度の導入と父親の扶養義務を明記せぬ今回の「改正」は、更なる「闇の子供たち」を生み出す偽装認知奨励法、人身売買促進法、小児性愛黙認法、即ち人権侵害法に他なりません。
定数242名(議長、副議長を含む)の参議院に於ける採決の結果は、投票総数229、賛成220、反対9でした。
反対者は、院内会派「民主党・新緑風会・国民新・日本」の中から新党日本の私 田中康夫。国民新党グループの亀井亜紀子、亀井郁夫、自見庄三郎、長谷川憲正、森田高。無所属の外山斎の7名。会派に属しない議員の中から川田龍平、田中直紀の2名。計9名です(敬称略)。
他方、棄権若しくは欠席が、民主党5名、自由民主党6名でした。
この間、「おかしいことは、一緒に変えていこう。」と新党日本及び私へと、数多くの方々からメール、FAX、手紙、電話を頂戴しました。
まさに人間の問題、日本の問題たればこそ、「国籍法『改悪』に疑義有り!」 と全国津々浦々で燎原の火の如く、不毛な二項対立的イデオロギーを超えたムーブメントが、短期間に広汎な拡がりを見せたのです。
それは、バラク・オバマ次期大統領を誕生させる原動力となった、アメリカ合衆国に於ける新しい草の根運動と似通っています。
会社や組合という組織の都合ではなく、個人や地域という人間の未来に根ざした政治を求める、ユナイティッド・インディヴィジュアルズ=自律した個々人が連携するムーブメントなのです。
恐らく、地方六団体やら補助金受給団体やら労働組合やらの団体陳情、団体請願こそが国民の声を反映する、と今でも信じて疑わない、既得権益の上に安住する既存政党の面々には、理解しにくい現象でありましょうが。
猶、本会議に先立って開催された「民主党・新緑風会・国民新・日本」の議員総会で私は発言を求め、冒頭に記した判断基準に加えて、以下の内容を述べました。
即ち、参議院民主党執行部は、新党日本、国民新党の理解を得た上で法務委員会での採決に臨む、と民主党の役員会で明言していたにも拘らず、DNA鑑定と扶養義務の2項目に関する、法案での取り扱いを巡って、両党に対する事前の相談は一切無く、「科学的な確認方法を導入することの要否及び当否について検討する」なる、些かの効力も及ぼし得ぬ抽象的文言の附帯決議が法務委員会理事会で合意した後も、この点に関し、書面・口頭、何れの連絡すら無かった。
これは、民主党と統一会派を組む2党に対する“背信行為”に他ならず、執行部の猛省を求める。
私たち9名は反対票を投じるが、生命倫理に関わる問題は党議拘束に馴染まない。自見、森田両議員も医師としての良心に基づいての判断であり、これは「政局」の対極に位置する「政策」の問題だ。
小沢一郎さんも、両党が反対票を投ずる方針に理解を示し、政権奪取後は速やかに国籍法の再改正を行う意向を示している。新党日本は、「DNA鑑定制度の導入と父親の扶養義務を本則に明記する国籍法の『改正』」を、総選挙のマニフェストで宣言する、との。
併せて、統一会派「民主党・新緑風会・国民新・日本」会長の重責を担う輿石東議員が、東京大学医学部附属病院での人間ドック受診を理由に、本日の本会議を欠席したのも、極めて理解に苦しむ行為、と言わねばなりません。
国会会期中、水曜日と金曜日は本会議の定例日です。何故、議会軽視と慨嘆せざるを得ない受診日時の設定を行ったのでありましょう?
これこそは議会軽視です。
況して、法務委員会に於ける採決が2回も先送りとなった法案の採決です。「良識の府」を自任していた筈の、参議院のチェック機能を自ら放棄するに等しい判断ではありますまいか。
加えて、自由民主党の中でも、民主党の中でも、少なからぬ議員が今回の法案に疑念を表明していたにも拘らず、その中の1人として反対票を投ずるに至らなかった不甲斐なさにも、些かならず落胆しました。
質疑に立った11月27日の法務委員会に於いても言及しましたが、一旦、決まった事柄は止められない、変えられない。これでは、諫早湾の悲劇、戦争の悲劇と同然です。
至らなさは改むるに如くは無し。
とまれ、「おかしいことは、おかしいと言う。」気概を抱いて反対票を投じた8名の同志、のみならず「信じられる日本へ。」と向けて、御賛同・御支援下さった方々に感謝を申し上げます。
官僚統治が跳梁跋扈する「官治」の弊害を解消し、真の民主主義と呼び得る「民治」の政治へと大転換する中で、真っ当なる国籍法の在り方も可及的速やかに実現すべく、引き続き、新党日本代表の私
田中康夫は踏ん張ります。
こちら↓をクリックすると、関連記事がご覧になれます。
産経新聞 讀賣新聞 朝日新聞 毎日新聞 時事通信
2008/11/27(木) 参議院法務委員会で質問に立つ!
DNA鑑定制度を導入せよ!
(幻の田中DNA修正案(参議院法制局作成)が御覧頂けます)
2008/12/04(木)
私は、DNA鑑定と扶養義務を明記せぬ欠陥法案にして、不条理極まりなき国籍法「改正」に、明日の参議院本会議で反対票を投じます。
新党日本代表 参議院議員 田中康夫
12月5日(金)の参議院本会議で採決が予定されている「国籍法の一部を改正する法律案」は、偽装認知奨励法、人身売買促進法、小児性愛黙認法と呼び得る、重大な瑕疵を内包しています。
“身勝手な行為”で外国籍女性との間に子を儲けた日本人男性が、婚姻も同居もしないが、日本国籍だけは子供に付与せよ、と法務局の窓口に出向いた場合、写真を添付の書類さえ整っていれば、「届出制」で受理する。それが、今回の「改正」です。しかも、扶養義務の宣誓すら課せられていません。
誰もが容易に写真を編集可能なデジタルな時代に生きる私達は、偽装認知を防ぐ上でも、DNA(ヒトの個体のデオキシリボ核酸の塩基配列)鑑定を条文化すべきなのです。既にイギリス、ドイツ、フランス、スウェーデン、オランダ、ベルギー等のヨーロッパ11カ国では、国が指定する医療機関でのDNA鑑定を義務付けています。
にも拘らず、法務委員会に於ける私の質問に対し、DNA鑑定は人権侵害の差別に繋がる、と森英介法務大臣は驚くべき答弁を行いました。
至らなさを改むるに如くは無し。転ばぬ先の杖。
「科学的な確認方法を導入することの要否及び当否について検討する」なる抽象的文言の附帯決議では、些かの効力も及ぼし得ません。
DNA鑑定制度の導入と父親の扶養義務を明記せぬ今回の「改正」は、更なる「闇の子供たち」を生み出す人権侵害法に他なりません。
私 田中康夫は明日の参議院本会議で、「国籍法の一部を改正する法律案」に反対します。
採決を経ての新たな決意