日本経団連の御手洗冨士夫会長は8日、定例会見で、非正規雇用者を削減する動きが企業側に相次いでいることについて、「世界的な景気の落ち込みで各社が減産に追い込まれ、苦渋の選択として雇用調整が行われている」と述べた。
そのうえで、雇用回復には「一日も早く景気を浮揚させるのが大事だ」との認識を示した。
また、御手洗氏が会長を務めるキヤノンのデジタルカメラ生産子会社、大分キヤノンが請負会社などとの契約を更新せず請負社員ら1千人規模が削減される見通しとなったことについては、「(報道には)かなり誤解があった」と述べたが、「一企業の会見の場ではない」として説明しなかった。
会見後のキヤノン広報部の説明によると、大分キヤノンが、デジカメの世界的な販売台数の落ち込みなどで減産することを請負会社に通知した。削減人数については雇用主である請負会社が決めるため、キヤノン側としては「把握できない」といい、御手洗氏の発言は、キヤノン側が直接、請負社員らの削減を指示したのではないことを述べたものという。